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中小企業が新規事業を立ち上げる時の5つの注意点!


 新規事業を立ち上げることになったものの【中小企業が新規事業を立ち上げる時の注意点】 を知らないまま、新規事業を成功させるのは、難しいですよね?

 中小企業で働いていて、新規事業を立ち上げることになったあなたも、中小企業のおかれた状況と新規事業を立ち上げる時の注意点を知っているだけで、新規事業の立ち上げに前向きに取り組めるようになります。

 中小企業で働いていた私も、新規事業を立ち上げる時の注意点やポイントを知らなかったので、既存事業のやり方を取り入れ、なんとなく業務に取り組んでいました。中小企業で新規事業の立ち上げをたくさん経験し、中小企業がおかれた厳しい現実と注意点を理解してからは、新規事業に積極的に取り組むようになり、新規事業への挑戦が楽しくなってきました。

 ということで、このページでは、①中小企業のおかれた状況 と、②中小企業が新規事業を立ち上げる時の注意点 について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、中小企業が新規事業を立ち上げる時の注意点を理解し、自信を持って新規事業に取り組み、成果をあげる自信がついています。

1 中小企業のおかれた状況

 日本全国で、廃業(経営者の判断により、自主的に事業活動を停止すること)や倒産(財務的に行き詰まり、事業を継続できなくなる状況) などにより、中小企業の数が少しずつ減っています。廃業や倒産する理由として、代表的なものは、以下の通りです。

  • 業績がきびしい(利益がでない)
  • 需要の低迷
  • 将来への不安(会社に将来性がない)
  • 後継者がいない
  • 人材の不足(人材の確保がむずかしい)
  • 自分の代でやめるつもりだった

 中小企業は大企業に比べて、資金力がなく、経営リソース(ヒト、モノ、資金、情報 など)が少ない などの理由で、市場環境の変化に対応できずに、廃業や倒産に至るケースが多くみられます。従業員の立場からすると、廃業や倒産により収入源がなくなってしまうため、生活が困窮してしまう大ピンチです。

 また、これから日本の総人口が減りますので、多くの分野で需要が減っていきます。減っていく需要を多くの企業で奪い合いますので、今と同じ商品やサービスを提供するだけでは、業績がきびしくなるのは、目に見えています。そのため、どの企業も、あらゆる手段を講じて、生き残りに必死になっています。日産自動車やコニカミノルタ、オムロン などの大企業でさえ、事業を続けるために、事業の再構築や人員削減を発表しているのですから、中小企業はおして知るべしです。つまり、環境の変化に対応できない中小企業は廃業や倒産に至る 厳しい状況が、すでに始まっています。

 しかしながら、廃業や倒産を避ける方法がいくつかあります。その一つが、新規事業を立ち上げること です。たとえ需要が低迷している業界でも、新しい商品やサービスを作り上げ、新しい顧客を開拓することにより、利益を増やし将来の展望を開くことができるのです。

 ただし、新規事業の立ち上げには準備と継続的な取り組みが必要です。顧客のニーズを調査し、市場分析を行い、ビジネスモデルを構築し、マーケティング戦略を策定し、組織を運営していかなければ、なりません。

 あなたの働く中小企業は、

  • 現在のおかれた状況を把握していますか?
  • 生き残るための覚悟はありますか?
  • 新規事業を立ち上げる準備をしていますか?

2 中小企業が新規事業を立ち上げる時の注意点

 中小企業が、新規事業を立ち上げる時の注意点やポイントは、数多くあります。その中でも、特に中小企業が注意すべきなのは、以下の5点です。参考にしながら、新規事業の立ち上げに取り組んでください。

  • 目的の明確化
  • リソース配分の最適化
  • すばやい意思決定
  • スモールスタート
  • リスク管理

目的の明確化

 新規事業の立ち上げで最も重要なことは、目的を明確にすること です。何のために新規事業を立ち上げるのか? を理解しないまま業務を始めたり、プロジェクトを立ち上げても、必ず失敗します。ただでさえ新規事業の成功確率は低いのに、目的もわからずに業務をこなしても、モチベーションが上がるわけがありません。

 中小企業は、限られた経営リソースを、効率よく活用することが不可欠です。目的が明確であれば、何を重点的に行うかがはっきりするので、無駄な投資を行ったり、不必要な人材を採用することがなくなります。さらに、目的が明確なので、方向にブレが少なくなり、一貫性を保てます。

 もし、目的が明確でないと、様々な問題が起こります。一例をあげると

  • 方向性を失い新規事業が迷走する
  • 経営リソースを浪費する
  • メンバーが意欲や自信を失う
  • 事業計画や戦略の一貫性がなくなる

などです。

 目的は、理解しやすくわかりやすい言葉で表現し、メンバーと共有してください。そうすることで、新規事業の成功確率が高まります。

リソース配分の最適化

 既存事業が安定して運営され、収益基盤がしっかりしてはじめて、新規事業を立ち上げることができます。そのため、リソースは優先的に既存事業に配分するべきです。新規事業にリソースを集中しすぎると、既存事業の運営に支障がでる 可能性があります。戦略的に最適なリソース配分を考えて下さい。

 特に、ヒト(人材)の配分は、優先的なポイントです。新規事業に興味があり、モチベーションの高い人材 を確保できるようにしてください。できれば、新規事業の立ち上げの経験者だと最適です。

 さらに、資金配分にも注意が必要です。限られた資金を、どのように有効活用するのか?十分に検討してください。資金を無計画に使うと、新規事業が立ち上がる前に、資金がなくなるリスクがあります。

 また、社内リソースのみで新規事業を立ち上げようとすると、計画通りに事業が進まなかったり、業務がとどこおったり などの問題が発生します。外部の専門家やコンサルタントの活用も考えてください。業務の一部を、アウトソーシング(外部委託)することも有効です。

すばやい意思決定

 すばやい意思決定は、中小企業にとって最大の武器 になりえます。大企業は、関係部署と社内調整を行ったり、複数人の承認を得る必要がありますが、中小企業はそれらの手続きが簡単で、スムーズに進みます。中小企業は、この特徴を最大限に活かすべきです。すばやい意思決定により、

  • 市場の変化にすばやく対応できる
  • 競合よりも優位性を確立できる
  • リソースを効率的に活用できる

などが、可能になります。

 ただし、とにかく早ければ良いという訳ではありませんので、情報収集を行った上で、意思決定することが重要です。また、意思決定の判断基準や手順を、明らかにしておくことも忘れないでください。

スモールスタート

 スモールスタートとは、小規模で新規事業をはじめること です。スモールスタートは、中小企業にとってリスクを抑えながら、成長を目指すために、非常に賢明な方法です。失敗した場合でも、損失やダメージを最小限におさえることができます。新しい商品やサービスは、顧客に受け入れられるとは限りませんので、小規模ではじめて、顧客の反応を見ながら、改善を行うことが必須です。さらに、スモールスタートだと、計画の修正や変更も容易です。成功の見込みが立った段階で投資を増やし、事業を拡大することをおすすめします。

リスク管理

 中小企業がリスク管理を行うことは、成功確率を高めるだけでなく、企業を存続させるためにも、きわめて重要です。中小企業で新規事業が失敗すると、会社全体や既存事業に対して、大きな影響をおよぼしますので、要注意です。特に、以下のリスクについては、常に注意を払ってください。

  • 売上が伸びない時、どうやって売上を確保するか?
  • 新しい商品やサービス、技術が登場した時、どう対抗するか?
  • 資金不足時、どこから いくら 調達するか?
  • メンバーの脱落や退職しないように、どうやって人材に定着してもらうか? どうやって組織を運営するか?

3 中小企業と大企業のちがい

 中小企業が新規事業を立ち上げる場合、中小企業の特徴をしっかりと理解し、その特徴を活かす必要があります。大企業と比較した中小企業の特徴を、以下にまとめました。あくまで一般論なので、表を参考にしながら、自分たちの置かれた状況を、掘り下げて考えてください。

中小企業大企業
資本金3億円以下(製造業、建設業 等)
5,000万円以下(サービス業、小売業)
3億円を超える(製造業、建設業 等)
5,000万円を超える(サービス業、小売業)
社員数300人以下(製造業、建設業 等)
100人以下(サービス業)
50人以下(小売業)
301人以上(製造業、建設業 等)
101人以上(サービス業)
51人以上(小売業)
経営リソースヒト、モノ、資金、情報が限られるヒト、モノ、資金、情報が豊富
リスク許容度失敗が大きな影響をおよぼす失敗の影響は少ない
意思決定のスピードすばやい意思決定が可能複数の承認を得るため時間が必要
社内調整社内調整は少ない関係部署との社内調整が必要
組織の柔軟性柔軟で新しい挑戦を受け入れやすい硬直的で新しい挑戦を受け入れにくい
ブランド力ブランド力が弱いブランド力があり市場での信頼がある

 中小企業は、大企業に比べて資金が少なく、人材にも限りがあります。新規事業の立ち上げ経験者は、社内にほとんどいないと思いますので、人材の確保は大きな課題 の一つです。

 また、経営リソースが限られているため、新規事業にどれだけを配分するのか?十分な検討が必要です。既存事業に支障が出ないように、配慮してください。

 中小企業は、組織が小さいため、社内調整が少なく、すばやい意思決定が可能です。派閥で争っていたり、足をひっぱる人がいたり、根回しがないと業務が進められない大企業よりも、かなり有利です。大企業で新規事業を立ち上げる場合は、社内会議や説得のための資料作りに時間をとられたり、関係部署が協力してくれなかったりと、余計な部分で疲弊することがあります。

 さらに、中小企業は考え方が柔軟で、新しい挑戦を受け入れやすい雰囲気があります。人数が少ない分、従業員間の距離が近いため、困っていたり失敗していると、手を差し伸べてくれる人もいます。新規事業に対しても、自分事として考える傾向があります。

 中小企業の特徴や長所を活かしながら、新規事業を立ち上げることも重要です。

4 新規事業を立ち上げるための準備

 中小企業を存続させるためにも、新規事業の立ち上げは非常に有効です。すぐに新規事業を立ち上げなくても、将来的に新規事業を立ち上げたいとの考えをもっている場合は、今できることから少しずつ準備を進めておくべき です。計画的に準備しておくことで、新規事業の立ち上げがスムーズになります。以下の準備から始めてみてください。

  • 既存事業の安定
  • 情報収集
  • 小規模プロジェクトの実施
  • 資金の準備

既存事業の安定

 新規事業を立ち上げるためには、既存事業が安定して運営できている のが大前提です。安定した売上や利益が出ていれば、安心して新規事業に注力することができます。既存事業の安定のためには、業務の効率化や財務の健全化、顧客満足度の向上、組織力の強化 などを行う必要があります。具体的な取り組みをいくつか列挙します。

  • 各商品・サービスの利益率の確認と改善
  • 業務プロセスの見直し(ムダな作業や非効率な業務がないか?)
  • 顧客満足度の確認と向上
  • 資金繰りの見直しと無駄な支出の削減
  • 組織体制の強化(リーダーはいるか? 働きやすい環境か? など)
  • リスク管理の強化
  • マーケティング戦略の見直し(SNSを活用しているか? など)
  • 商品・サービスの品質向上(定期的に見直し改善しているか? など)

情報収集

 新規事業を立ち上げると決定する前から、情報収集を行うことは、非常に重要です。多方面にわたる情報を収集するため、ポイントをおさえて効率的に行ってください。具体的に集めるべき情報を、以下にまとめました。

  • 顧客に関する情報
  • 市場に関する情報
  • 業界のニュース
  • 最新技術の動向
  • 法律・規制に関する情報
  • 関連する海外の情報
  • 成功している企業の情報

 公的機関や市場調査会社が発行しているレポート、業界のニュースサイト、展示会やセミナー などから情報を収集します。複数の情報源から、多方面にわたる情報収集が重要です。時間をかけて、広範な情報を集め分析することで、新規事業の可能性が見えてきます。

小規模プロジェクトの実施

 小規模なプロジェクトを、実験的に行うことは、新規事業を立ち上げる時に、かなり役に立ちます。顧客ニーズや社内リソースに合わせて、プロジェクトを立ち上げてみてください。プロジェクト参加者は、様々な経験をつむことができるとともに、多くのスキルを身につけることができます。レポートを読んだり、研修を受けるよりも、プロジェクトに参加し試行錯誤する方が、得られるものは多いです。以下のようなプロジェクトを考えてみてください。

  • 従業員のアイデアを採用したプロジェクト
  • 協力会社との共同プロジェクト
  • 期間限定サービスを提供するプロジェクト

 これらの試験的なプロジェクトは、実施した後に検証し次につなげることが重要です。うまくいった点、見えてきた改善点、プロジェクト参加者の評価、不足している社内リソース などを確認してください。

資金の準備

 資金不足は、新規事業における大きなリスクです。余裕をもった資金を準備することで、事業が軌道に乗るまでの資金不足を防ぐことができます。

 まずは、必要な資金をおおざっぱに見積もります。現実的かつ保守的に見積もることが重要です。見積もる時は、①初期投資 ②運転資金 ③予備資金(予期せぬ出費) の3つに分けて、考えて下さい。新規事業は、新しいアイデアを事業化しようと取り組みますので、予想外の問題が発生し、予期せぬ出費が必ず発生します。当初の予定から、10~20%くらい多く資金が必要になることは、よくあります。見積もりの中には、必ず予備資金を入れてください。

 次に、資金をどうやって調達するか?を考えます。①自己資金 ②銀行からの融資 ③助成金や補助金の利用 ④投資家やベンチャーキャピタルからの出資 ⑤クラウドファンディング などが考えられます。

5 まとめ

 今回の記事では、中小企業が新規事業を立ち上げる時の注意点について解説しました。中小企業のおかれた厳しい状況を理解し、5つの注意点に気をつけながら新規事業にとり組めば、社内リソースの少ない中小企業でも、失敗のリスクを減らしながら、新規事業を立ち上げることができます。中小企業の特徴を知り、しっかりと準備をしてから、新規事業に挑戦してください。中小企業にも、成功の可能性は十分にあります。

中小企業が新規事業を立ち上げる時の5つの注意点

  1. 目的の明確化
  2. リソース配分の最適化
  3. すばやい意思決定
  4. スモールスタート
  5. リスク管理

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