【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

新規事業の立ち上げ時のポイント、ビジネスモデル、事業計画書、スケジュール、タスク、プレゼン資料 などをわかりやすくまとめた情報サイト


新規事業の評価 基準と方法をわかりやすく解説


 新規事業を評価することになっても、新規事業を【どう評価するか?】について知識や経験がないのに、正しく評価するのは、かなり難しいですよね?

 初めて新規事業の評価を任されたあなたも、評価のポイント、評価の基準と方法を知っているだけで、自信をもって新規事業の評価を行えるようになります。

 以前の私は、新規事業の評価のポイントや基準、方法について知らなかったので、取り組んでいる業務を評価する時に、既存事業の評価方法を用いてしまったり、間違った評価を下したり していました。正しい評価基準と方法を身につけた現在では、新規事業を正しく評価し、今後の進め方について的確なアドバイスができるようになりました。

 本ページでは、新規事業の ①評価のポイント ②評価の基準 ③評価の方法 について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、新規事業の評価のポイント、評価の基準、評価の方法 を正しく理解し、自信をもって新規事業を評価できるようになっているはずです。

1 新規事業を評価する時のポイント

 新規事業をどう評価するか? これは、簡単なようでかなり難しい問いかけです。新規事業に取り組んでいる人でも、きちんと理解していない方を多くみかけます。評価を間違えると、可能性のある新規事業の芽をつんでしまうことになりますので、注意が必要です。

 新規事業を立ち上げる前から、どう評価するのか? 基準をどうするか? など、事前にある程度、重要なポイントについて知っておくべきです。各企業や組織によって、重視するポイントが多少異なっていますが、重要なポイントがいくつかあります。それは、以下の4点です。

  • 既存事業の基準を用いて評価しないこと
  • あわてて評価しないこと
  • 評価者は限定すること
  • 撤退する時の条件を決めておくこと

 新規事業と既存事業は、事業に対する考え方や進め方が全く異なります。そのため、既存事業のルールを適用するのではなく、新規事業に合わせた評価基準をつくり、それを適用する必要があります。既存事業の基準は、絶対に用いないでください。新しい事業を立ち上げ、新しい市場を作り上げるんだ! という気概とチャレンジ精神を尊重した基準をつくるべきです。

 あわてて評価しないこと も、非常に重要です。新規事業は、企画・検討を開始し、スタートするまでに、約1年かかります。さらに、業務を見直しながら試行錯誤し、新規事業を軌道にのせるのに、2~4年かかります。あわてて評価するのではなく、長期的な視点に立ち、新規事業を育てていくという気持ちをもちながら、評価してください。

 評価者は限定するべき です。①経営者 ②PMO(Project Management Office) のどちらががおすすめです。PMOは、新規事業の立ち上げで発生する課題や問題点をサポートする組織ですが、新規事業の評価を行うのも重要な業務です。評価に多くの人が関わると、無責任になったり、適当な評価になりがちなので注意してください。

 さらに、撤退する時の条件をあらかじめ決めておくこと も、非常に重要です。例えば、〇〇年後に売上高〇〇〇万円にならなかったら撤退 などです。撤退条件が決まってないと、ダラダラと業務を進めることになったり、モチベーションが下がったり、既存事業への悪影響が出てきます。

2 評価の基準は

 新規事業を評価する基準は、2段階に分けて考えるのを、おススメします。新規事業の成長に合わせて、評価基準を変えるのです。2段階とは、以下の2つです。

  1. ビジネスモデルが固まるまで
  2. ビジネスモデルが固まり利益が出始めてから

 ビジネスモデル(ビジネスを成立させている仕組み)が固まるまでは、定性的な基準(数値化できない基準)で評価します。新規事業の立ち上げでは、ビジネスモデルを確立することが、最優先の課題です。①誰に ②どんなサービス(どんな価値)を ③どのような仕組みで提供し ④どう利益を得るか の仕組みを作り上げるために、試行錯誤をくり返してください。具体的な数値で評価するのは、その後です。

 ビジネスモデルが固まり利益が出始めてからは、定量的な基準(数値化できる基準)で評価します。この段階では、今後の見通しがある程度みえてきますので、具体的な数値を基準にして、評価できるようになります。

ビジネスモデルが固まるまで

 ビジネスモデルが固まるまでは、具体的な数値で評価してはいけません。この段階では、新規事業としてビジネスが成立し成長しそう! との確信をもてるか?を、大切にしてください。

 ポイントは、プロトタイプ(最小限の機能をもった製品・サービス)を作りあげ、プロトタイプを顧客に見せ、意見を取り入れながら何回も見直し、顧客の求める製品・サービスに近づけていくことです。見込み客に何度も見せながら、お金を払ってくれそうか?を、確かめていきます。この作業をくり返していると、最初に考えていたビジネスモデルが、かなり変わってくるはずです。さらに、テストマーケティング(新しい製品・サービスがほぼ完成した後、限定的な範囲で販売し、顧客の反応を確認すること)まで行ってください。

 評価の基準としては、以下が考えられます。

  • どのような製品・サービスを作りあげたか?
  • ビジネスモデルは確立したか?
  • 数年先の事業の姿が見えてきたか?

 上記以外にも、状況に合わせて、評価の基準を考えてください。

 この段階では、あわてて評価を下してはいけません。新規事業の可能性を信じて、事業をサポートし育てていく という意識をもって、評価してください。

ビジネスモデルが固まり利益が出始めてから

 この段階になると、定量的な基準を取り入れ、事業として利益を出していけるのか? 客観的な数値を中心にして、評価していきます。ただ、達成がむずかしい目標や高すぎるハードルを設定すると、かえって担当者のやる気を削いでしまいますので、状況を見ながら柔軟に評価基準を決めてください。考えられる評価基準は、以下の通りです。

  • 売上高
  • 営業利益
  • 営業利益率

 評価基準は、新規事業の進捗に合わせて、変更しても構いません。現場の状況をみながら、考えることが重要です。

3 評価の方法は

 新規事業を評価する時、①誰が評価するか? ②どのような方法で評価するか? が、とても重要です。新規事業の可能性をつぶさないように、柔軟な方法で評価し、それを後から振り返れるようにしてください。振り返るためには、きちんと記録に残すことです。

 以下のポイントに注意してください。

誰が評価するか?

 誰が評価するか? これはきわめて重要です。多くの人が関わった方が、良い評価が得られると考える人がいますが、間違いです。多くの人が賛成するからといって、正しい評価とは限りません。逆に、多くの人が反対するから、新規事業が失敗するわけでもありません。評価者は、なるべく限定するべきです。限られたメンバーで、新規事業について深く真剣に、検討するのです。

以下のどちらかをおすすめします。

  • 経営者
  • PMO(Project Management Office)

 評価者は、新規事業に期待しつつも、なるべく中立性を保って評価するように、気をつけてください。新規事業の責任者との打ち合わせをくり返しながら、現状と今後の見通しについて議論を重ね、冷静に判断してください。

どのような方法で評価するか?

 評価の方法も、2段階に分けて考えるのが、おすすめです。

 ビジネスモデルが固まるまでは、①誰に ②どんなサービス(どんな価値)を ③どのような仕組みで提供し ④どう利益を得るか の仕組みが確立できたか?を評価します。ビジネスモデルを図でかいて説明し、新規事業としてビジネスが成立し成長しそう! と期待がもてるか で評価するのです。できれば、事業計画書にまとめてもらい、内容を評価するべきです。

 ビジネスモデルが固まり利益が出始めてからは、スプレッドシートに、売上高や営業利益などを書き込み、目標に対してどのくらい達成しているか を、評価します。ただし、まだまだ事業としては不安定ですので、ちょっとしたことで、目標に対し数値が上振れしたり、下振れしたりします。定量的な基準だけではなく、事業の将来性や予想される事業リスクに対する対策 なども評価してください。

4 撤退する時の条件を決めておく

 新規事業を立ち上げるために、メンバーを集めて、多くのリソースを投入したものの、成功の可能性が低いため、やむなく撤退せざるを得ないことは、よくあります。ただ、撤退の意思決定をするのは、非常にむずかしく苦しいもの です。できれば、撤退の意思決定はやりたくない と、誰もが考えています。

 撤退する時の条件は、あらかじめ決めておいてください。たとえ経営者であっても、撤退の意思決定をするのは、簡単ではありません。撤退の条件は、企業やおかれた状況により様々ですが、一例としては

  • 〇〇年後に売上高〇〇〇万円にならなかったら撤退
  • 〇〇億円投資して、黒字化できなかったら撤退

などがあります。

 既存事業への悪影響が出てからでは、手遅れです。再び新規事業を立ち上げる余力を残しておき、勇気ある撤退をすることが、次の新規事業の成功につながると考えてください。

 さらに、新規事業に関わったメンバー全員への説明とフォローは、忘れないでください。今回は成功しなくても、新規事業の立ち上げに関するノウハウが蓄積され、何度も挑戦していくうちに、新規事業の立ち上げに成功する日が、必ず来ます。撤退とは、ビジネスの終わりを意味するわけではありません。

 撤退することになっても、捲土重来(一度失敗した者が再び勢いを盛り返すこと)という言葉を信じて、新規事業に再チャレンジしてください。

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業を評価する時のポイント、評価の基準、評価の方法 について解説しました。評価についての理解を深めることにより、自信をもって新規事業を評価できるようになります。新規事業に合わせた評価基準をつくり、新規事業の可能性を信じて、慎重に評価することが重要です。撤退する時の条件も、あらかじめ決めておいてください。

新規事業の評価のポイント

  1. 既存事業の基準を用いて評価しないこと
  2. あわてて評価しないこと
  3. 評価者は限定すること
  4. 撤退する時の条件を決めておくこと

PAGE TOP