【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

新規事業の立ち上げ時のポイント、ビジネスモデル、事業計画書、スケジュール、タスク、プレゼン資料 などをわかりやすくまとめた情報サイト


新規事業のプレゼン構成はどうする? 相手に合わせて作る!


 新規事業のプレゼンを行うことになっても【正しいプレゼン構成】を知らないまま、プレゼン資料を作るのは、とても不安ですよね?

 新規事業のプレゼンを担当することになったあなたも、プレゼン構成を考える時のコツと流れを知れば、プレゼン資料作りがとても楽になります。

 以前の私は、新規事業のプレゼン資料の構成について、ほとんど知識をもっていませんでしたので、作った資料を適当につなぎ合わせ、プレゼンを行っていました。その結果、伝えたいメッセージが伝わらずに、なかなか期待した反応が得られませんでした。多くの相手にプレゼンを何回も行ううち、新規事業のプレゼン構成のコツがわかり、相手に合わせたプレゼン資料を、簡単に作れるようになりました。

 このページでは、新規事業の ①プレゼンの構成要素 と、②相手に合わせたプレゼン構成 について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、相手に合わせたプレゼン構成を理解し、自信をもってプレゼン資料を作れるようになります。

1 誰に対するプレゼンなのか? 相手によって関心事が異なる!

 まず、新規事業のプレゼンは、誰に対するプレゼンなのか? を、はっきりさせて下さい。なぜなら、相手によって刺さる情報が異なるため、誰にプレゼンするか?によって、プレゼン構成を変える必要があるからです。相手に合わせて、構成を考えないと、全く評価されない無駄なプレゼンになる可能性があります。

 以下に、主なプレゼン相手をまとめました。社内の関係者と社外の関係者の2つに、大別しています。誰に対するプレゼンなのか?を、明らかにしてから、プレゼン構成を考え始めてください。

社内の関係者

  • 経営者
  • チームメンバー
  • 他部署メンバー

社外の関係者

  • 協力会社
  • 投資家
  • 地方自治体

 それぞれのプレゼン相手の関心事やプレゼン構成のポイントについては、【3 相手に合わせたプレゼン構成】にて、説明します。

2 プレゼンの構成要素10選

 プレゼン資料は、いくつかの要素から構成されています。相手によって関心事が異なりますので、強調するべき要素は異なりますが、必ず入れるべき要素があります。プレゼン相手やプレゼンの時間によって、分量や見せ方を柔軟に変えながら、プレゼンの構成を考えて下さい。

 以下に、プレゼンに必ず入れるべき構成要素を、列挙しました。

  1. エグゼクティブサマリー(要約)
  2. 事業概要
  3. ビジネスモデル
  4. 市場分析
  5. マーケティング戦略
  6. 組織体制とオペレーション
  7. アクションプランとスケジュール
  8. ロードマップ
  9. 財務計画
  10. リスク分析と対策

エグゼクティブサマリー(要約)

 エグゼクティブサマリーとは、新規事業の重要なポイント(事業概要、ビジネスモデル、市場分析、マーケティング戦略、財務計画、リスク分析と対策 など)を、簡潔にまとめたものです。新規事業の全体像を、わかりやすく記載します。相手に、事業の全体像を把握してもらうために、必須の項目です。プレゼンのつかみ部分になりますので、ここで新規事業の概要を理解してもらえば、プレゼンはスムーズに進みます。

事業概要

 事業概要では、新規事業を考えるに至った背景(環境の変化、ビジネスチャンス など)、事業の目的、目標、事業の特徴、ミッション、ビジョン、バリュー などを説明します。

ビジネスモデル

 ビジネスモデルとは、ビジネスを成立させている仕組み のことです。つまり、①誰に ②どんなサービス(どんな価値)を ③どのような仕組みで提供し ④どう利益を得るか を明確にしたものです。なるべく 簡単な図 にまとめて説明してください。

 参加者に、ビジネスモデルを説明して、新規事業としてビジネスが成立し成長しそう! と考えてもらうために、重要な構成要素になります。

市場分析

 市場分析では、新規事業のリスクを最小限におさえ、チャンスを最大限に活かすためには、どこにチャンスがあるのか? を明らかにします。分析結果をプレゼン資料で説明する時は、参加者にわかりやすくまとめる必要があります。以下のように3つの項目(顧客分析、競合分析、業界分析)に分けると、参加者は理解しやすくなります。

項目内容
顧客分析顧客の属性は? (年齢、性別、職業、収入、居住地 など)
顧客のニーズは? (具体的なニーズや課題 など)
行動パターンは? (商品やサービスを利用する理由、購買の意思決定の流れ など)
競合分析競争状況は? (競合企業の特徴や市場シェア など)
競合の強み・弱みは? (技術力、ブランド力、コスト競争力 など)
競合の戦略は? (価格戦略、マーケティング戦略、ターゲット顧客 など)
業界分析業界の特徴は? (市場規模、成長性、収益性 など)
業界のトレンドは? (流行、技術、手法 など)
業界のリスク・チャンスは?

 徹底した市場分析を行い、ターゲット市場の中で、競合他社と戦うのに有利な立ち位置 を見つけ、それを説明します。

マーケティング戦略

 マーケティング戦略とは、新しい商品やサービスを顧客に知ってもらい、それらに興味をもってもらい、最終的に購入してもらうためにどのような活動を行うか? ということです。

 市場分析で、競合他社と戦うのに有利な立ち位置を見つけていますので、マーケティングの4P(製品、価格、流通、プロモーション)の具体的な施策を考え、わかりやすく説明します。それぞれの施策で考えるべき具体的な内容は、以下の通りです。

4P概要具体的な項目
製品提供する製品・サービスは?機能、内容、パッケージ、デザイン、品質、付帯サービス
価格製品・サービスの価格は?標準価格、割引、支払い方法、支払期限
流通流通経路はどうするか?チャネル、流通範囲、品ぞろえ、輸送、ロジスティクス
プロモーションコミュニケーションはどうするか?広告、販売促進、PR、口コミ、SNS

組織体制とオペレーション

 まずは、社内リソース(社内の経営資源)を確認します。その中でも、ヒト(人材)モノ(設備や技術)カネ(資金)情報 に着目します。社内リソースを基に、組織体制を検討します。チーム構成(チームメンバーの役割と責任、具体的な業務内容 など)や意思決定の流れ、協力会社の活用 などを、明らかにします。メンバーが多い場合は、組織図を書くと、読み手が理解しやすくなります。

 さらに、オペレーション(どのように業務を進めるのか?)を、説明します。業務の全体像と各業務の担当者について説明してください。社内リソースで足りない部分は、外部リソースの活用 を検討します。

アクションプランとスケジュール

 アクションプランとは、目標を達成するための具体的な行動計画のことです。スケジュールとは、いつ行うかを示した計画表のことです。アクションプランとスケジュールの明示を言い換えると、具体的な行動をいつ行うのか?を明らかにすること です。

 具体的な行動計画を明示することにより、新規事業の実現可能性が高まります。誰が?どのタスクを?いつまでに? やり遂げるかを明らかにするのが、ポイントです。これにより、チームメンバーの役割や責任範囲がわかりやすくなり、チーム全体の連携もよくなります。

 注意点は2つあります。①タスクに優先順位をつけること ②余裕をもったスケジュールにすること  です。タスクに優先順位をつけることで、チームメンバーの頭が整理され、効率よくタスクを実行できるようになります。また、無理のあるスケジュールだと、チームメンバーに過度なプレッシャーを与え、本来のパフォーマンスを発揮できない可能性があります。

 プレゼンで、具体的なアクションプランとスケジュールが書かれていると、相手に実現の可能性や熱意が伝わります。これらを明示すると、自分やチームメンバーへのプレッシャーになりますが、成功の可能性が高まります。

ロードマップ

 新規事業のロードマップとは、新規事業の全体像や大まかな方向性を描いた計画書 です。新規事業の各フェーズや年度ごとに、①目標 ②主な活動 ③必要な期間 ④必要なリソース などを、明らかにしていきます。細かい数値目標や具体的な活動は、必要ありません。3~5年先くらいまでの全体像を明らかにします。

 ロードマップを作ることで、①全体像を明らかになり ②メンバーの意識が統一され ③リソース配分が明らかになり ます。

財務計画

 財務計画では、事業の収益性や持続可能性を示します。経営者や投資家を納得させるために欠かせない項目です。具体的な数値を用いて、現実的な予測を行う ことが重要です。計画を評価してもらうために、楽観的な収益計画を立てると、逆に信頼を失いますので、注意が必要です。

 説得力を高めるために、わかりやすいグラフや表を活用して視覚的に説明することが重要です。財務計画には、以下の内容を盛り込んでください。

  • 損益計算
  • キャッシュフロー計算
  • 資金調達計画
  • 損益分岐点

 初期投資額ランニングコスト は、必ず明示してください。

リスク分析と対策

 新規事業の立ち上げで、予想されるリスクとそれに対する適切な対策 を明示します。新規事業を立ち上げる時は、予想外の問題やトラブルが、必ず発生します。プレゼン資料の中に、発生が予測されるリスクと、それに対する予防策や対応策を考えておくことで、プレゼンの評価が高まります。

 考えられるリスクについて、以下に示します。

  • 売上が伸びない(どうやって売上を確保するか?)
  • 新しい商品やサービスの登場(どうやって競合と差別化するか?)
  • 資金不足(余裕をもった資金計画か? 不足時はどこから資金を調達するか?)
  • 新しい技術の登場(新しい技術にどう対抗するか? 技術開発をどう進めるか?)
  • メンバーの脱落や退職(どうやって人材に定着してもらうか? どうやって組織を運営するか?)

3 相手に合わせたプレゼン構成

 相手に合わせてプレゼン構成を考えることが、プレゼンの成功につながります。プレゼン相手が、明らかになった後は、相手が何に関心をもち、プレゼンに何を期待しているのか?を理解してください。それがわかれば、プレゼン構成をどうするか?は、それほど難しいことではありません。相手の関心に合わせてプレゼン構成をアレンジし、さらに強調する項目を決めて、プレゼン資料を作ってください。

 それぞれのプレゼン相手の関心事やプレゼン構成のポイントについて、以下にまとめました。

相手関心や期待
経営者収益性と成長性、大まかな方向性、会社全体への影響、リスク管理 など
チームメンバーやりがい、自分たちは何をするべきか? 成功の可能性、サポート体制 など
他部署メンバー既存業務への影響、連携や協力の必要性、必要なリソースとその確保 など
協力会社事業の継続性、収益性と成長性、自社への影響、信頼できるか? など
投資家収益性と成長性、競合他社との優位性、チームの実行力、リスク管理 など
地方自治体地域への貢献、雇用創出、産業の活性化、持続可能性 など

社内の関係者

経営者

 経営者は、事業全体を広い視点でとらえつつも、新規事業の成長に期待をしています。また、新規事業のリスクをなるべく抑えたいとも考えています。具体的な関心事や期待することは、①収益性と成長性 ②大まかな方向性 ③会社全体への影響 ④リスク管理 などです。そのため、以下の項目をプレゼンで強調してください。

  • 財務計画
  • ロードマップ
  • リスク分析と対策
  • 全社戦略との整合性

チームメンバー

 チームメンバーは、不安な気持ちを抱きながら、次々と直面する問題を解決し、新規事業を進めようと日々奮闘しています。①やりがいがあるか? ②自分たちは何をするべきか? ③成功の可能性はあるのか? ④サポート体制はどうなっているのか? などへの興味や関心が強いです。夢を語りつつも、具体的に説明しなければ、心に響きません。そのため、

  • 事業の目的、目標、ミッション、ビジョン、バリュー などの事業概要 
  • 組織体制とオペレーション
  • アクションプランとスケジュール
  • 会社のサポート体制

について、しっかりと説明することに主眼をおいてください。

他部署メンバー

 他部署メンバーは、所属する組織により、関心事が大きく異なります。そのため、具体的にどの部署から参加するか?   新規事業とどのような連携をとるか? を考えながら、プレゼン構成を考える必要があります。他部署メンバーの関心事を以下にまとめましたので、参考にしながらプレゼン資料を作ってください。

相手関心や期待
マーケティング部門 メンバーターゲット顧客、マーケティング戦略 など
営業部門 メンバー営業目標、組織体制 など
広報部門 メンバープロモーション戦略、PR など

社外の関係者

協力会社

 協力会社の人は、これから新規事業を一緒に作り上げていく社外の仲間です。すぐに利益をあげなくても、時間をかけながら、新規事業の成長に関与したいと考えています。主に、①事業の継続性 ②収益性と成長性 ③自社への影響 ④信頼できるか? に関心をもっています。そのため、

  • ビジネスプラン
  • アクションプランとスケジュール
  • 組織体制とオペレーション
  • 協業によるメリット(販路拡大、コスト削減 など)

などをしっかりと説明しながら、プレゼンを進めるのが、おすすめです。

投資家

 投資家は、新規事業が成長し利益を生み出した結果、投資した資金がいくらになるのか?に、最も興味をもっています。事業の内容よりも、資金をどう回収するのか? チームの強みは何か? を、気にしています。したがって、以下のポイントをしっかりと説明してください。

  • ビジネスモデル
  • 財務計画
  • ロードマップ(上場やM&A などの可能性)
  • チームメンバーの経歴やチームの強み

地方自治体

 地方自治体は、①地域への貢献 ②雇用創出 ③産業の活性化 ④持続可能性 などに、興味や関心があります。そのため、

  • 地域の課題をどう解決するのか?
  • ビジネスの安定性
  • リスク分析と対策

などを、上手に盛り込みながら、プレゼン構成を考えてください。

4 プレゼンを行うまでの流れ

 プレゼン内容を十分に理解してもらい、次のステップに進むためには、①プレゼンを行うまでの流れを知り ②各ステップでしっかり準備する ことが、とても大切です。プレゼンを行うまでの基本的な流れを、以下にまとめましたので、この流れに沿って十分に準備してから、プレゼンにのぞんでください。慣れるまでは、面倒くさいと考えがちですが、最初は基本通りにやってみてください。そうすれば、自信をもってプレゼン本番にのぞめ、プレゼンが成功すること、間違いなしです。

 リハーサルを省略する人が多いですが、大事なプレゼンの時ほどリハーサルを行ってください。聞いてくれた人からフィードバックをもらい、プレゼン内容や伝え方を修正することで、プレゼンの完成度があがります。

【ステップ1】戦略を考える
 【目的】承認を得たい、資金調達したい など と、【伝えたいメッセージ】を、決めます。相手が何に関心をもち、プレゼンに何を期待しているのか?を、理解しながら、じっくりと考えてください。
【ステップ2】プレゼン構成を決める
 相手の関心に合わせたプレゼン構成や全体の流れを決めます。詳しく説明したり、強調する要素を検討してください。さらに、説得力をもたせるために用いる図、グラフ、事例 などを、決めます。
【ステップ3】プレゼン資料を作成する
 全体の流れにそって、スライドを1枚ずつ作成します。1枚のスライドに、1つのメッセージが基本です。図やグラフを用いて、なるべく視覚的に伝えることが重要です。
【ステップ4】リハーサルを行う
 実際のプレゼンを意識してリハーサルを行い、伝わりやすさやかかる時間などを、確認します。聞いてもらった人に、なるべく客観的な意見をもらってください。
【ステップ5】プレゼンを行う
 わかりやすい言葉ではっきりした説明を心がけます。また、相手の表情や反応を見ながら、必要に応じて話し方を柔軟に変えてください。自信を持ってプレゼンを行うことが、最も重要です。

 プレゼンが終わった後、①参加者にうまく伝わらなかった項目 ②質疑応答で的確に答えられなかった内容 などを確認し、次回のプレゼンに活かすことも重要です。

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業のプレゼン構成のコツを解説しました。相手によって関心事が異なるため、相手に合わせてプレゼン構成を考えることが重要です。さらに、プレゼンの目的を考えながら、10個の構成要素の中で、強調したり軽く説明したりする要素を決めてください。また、プレゼン本番の前には、必ずリハーサルを行い、聞いてくれた人から、客観的な意見をもらってください。それにより、プレゼンの成功確率が高まります。

相手に合わせたプレゼン構成で強調すること

  1. 経営者
    • 財務計画
    • ロードマップ
    • リスク分析と対策
    • 全社戦略との整合性
  2. チームメンバー
    • 事業の目的、目標、ミッション、ビジョン、バリュー などの事業概要 
    • 組織体制とオペレーション
    • アクションプランとスケジュール
    • 会社のサポート体制
  3. 他部署メンバー
    • 参加する部署により異なる
  4. 協力会社
    • ビジネスプラン
    • アクションプランとスケジュール
    • 組織体制とオペレーション
    • 協業によるメリット(販路拡大、コスト削減 など)
  5. 投資家
    • ビジネスモデル
    • 財務計画
    • ロードマップ(上場やM&A などの可能性)
    • チームメンバーの経歴やチームの強み
  6. 地方自治体
    • 地域の課題をどう解決するのか?
    • ビジネスの安定性
    • リスク分析と対策

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