新規事業のアイデアを思いついたものの、新規事業の 【市場調査】 を知らないまま、事業化を検討するのは、どんなデータを集めればよいかわからず、とても心配ですよね?
新規事業の担当になったあなたも、市場調査で明らかにするべきポイントを知っているだけで、自信をもってアイデアの事業化にとり組むことができます。
以前の私は、市場調査についてよく知らなかったので、インターネット調査ばかりやっていました。その結果、狙っている市場の存在や具体的な顧客について、十分なデータが集められず、新規事業の停滞や見直しが続きました。新規事業の市場調査を理解した今では、複数の市場調査を行い、その結果に基づいて、進める or 撤退 or 見直し などの的確な判断ができるようになりました。
このページでは、①市場調査が必要な理由 と、②市場調査で明らかにするべきポイント について解説していきます。
この記事を読み終える頃には、新規事業の市場調査の重要性を理解し、調査結果を活かしながら、新規事業を着実に進められるようになります。
1 なぜ新規事業に市場調査が必要なのか?
市場調査が必要な理由
新規事業を考え始めると、「このアイデア、絶対いけそうだ!」とか、「自分が欲しいから、他の人も絶対欲しいはず!」などと、感じる時があります。この「いけそう!」という感覚をそのまま信じて、裏付けとなるデータを調べずに新規事業の検討を進めるため、ほとんどの新規事業は失敗してしまいます。失敗のリスクを下げるために、市場調査は絶対に必要です。
つまり、新規事業で市場調査が必要なのは、アイデアが事業化できるか? を、検証するため です。
市場調査でおさえておくべき注意点
思いついたアイデアが事業化できるか? 検証する時に、必ずおさえておくべき注意点があります。それは、以下の3つです。
- 新規事業は、思いつきだけで始めてはいけない
- 市場調査が、失敗のリスクを下げる
- 新規事業と既存事業は、全く別物である
新規事業は、思いつきだけで始めてはいけない
新規事業でよくある失敗として、アイデア先行で動いてしまうこと です。例えば、①自分たちの勘や経験に頼って進める ②社内で評判がよかったから進める ③過去に似たような成功体験があったから進める と、色々な問題が発生します。実際にはお金を払ってくれる顧客がいなかった、顧客の課題を把握できていなかった などです。
アイデアを考えるのは、問題ありませんが、本当に市場があるのか? 顧客はお金を払ってくれるのか? を確認せずに、思いつきだけで進めるのは、大問題です。
市場調査が、失敗のリスクを下げる
新規事業における市場調査の目的は、絶対に成功する事業を見つけること ではありません。新規事業において、本当に重要なのは、致命的な失敗を避けること です。市場調査を行うことで、次のことが見えてきます。
- その課題でこまっている人はいるのか?
- その課題解決にお金を払ってくれるのか?
- その課題解決に使われている手段は何か?
これらが明らかになれば、誰も困っていない課題に対して商品・サービスを開発する、売れない価格設定で事業を始める など、取り返しのつかない失敗を避けることができます。
つまり市場調査とは、成功の可能性を高める作業ではなく、失敗の可能性を下げるための作業 なのです。
新規事業と既存事業は、全く別物である
新規事業と既存事業では、市場調査の重要性が、全く異なります。
既存事業の場合、①すでに顧客がおり ②売上データがあり ③価格や競合に関する情報が豊富 ですので、判断材料が社内に蓄積されています。それに対し、新規事業の場合、①顧客が見えず ②売上実績がなく ③価格や競合に関する情報がほとんどない 状況からスタートしますので、的確な判断ができません。
そのため、新規事業では、事業を始める前に、市場を理解するための調査が必要になります。
2 市場調査で明らかにするべき3つのポイント
市場調査と聞くと、「たくさんのデータを集めなければならない」、「専門的な分析が必要そう」などと考え、身構えてしまうかもしれません。新規事業の立ち上げに携わったことのないメンバーは、不安を感じるかもしれません。
しかしながら、新規事業の最初の段階で必要なのは、たくさんのデータを集めることではなく、ポイントを押さえたデータを集めることです。市場調査で明らかにするべきポイントは、以下の3点です。この3点を整理できれば、自信をもって新規事業を進めることができます。
- その市場は、本当に存在するのか?
- 誰が顧客なのか?
- その課題は、本当に解決する価値があるのか?
その市場は、本当に存在するのか?
最初に明らかにするべきポイントは、新規事業で狙っている市場が、本当に存在するのか? ということです。市場が存在するとは、その課題に困っている人が一定数おり、何らかの方法で解決しようとしている状態 を、指します。
例えば、「こんなサービスがあったら便利だよね!」と思えても、実際には、①こまっている人がほとんどいない ②こまっているがお金を払うほどではない というケースは少なくありません。市場調査では、「存在するが非常に限られている」、「今は存在しない」 などを確認するだけでも、大きな意味があります。なぜなら、市場が存在しないと、事業は成立しないからです。
誰が顧客なのか?
次に重要なポイントは、本当の顧客は誰か?を具体化すること です。顧客として、「誰でも使える」、「幅広い年代が対象」という言葉が出てきたら、注意が必要です。顧客が明らかではなく、ぼんやりしていると、①商品・サービスの価値が伝わらない ②価格が決まらない ③マーケティングの方向性が定まらない などの問題が発生します。
市場調査では、以下の点を意識してください。
- どんな立場の人がこまっているか?
- どんな場面でその課題が発生しているのか?
- 支払いの決定権をもっているのは誰か?
ペルソナまで、作る必要はありませんが、「〇〇〇の人のための商品・サービス」と、説明できるくらいに、具体化してください。
その課題は、本当に解決する価値があるのか?
さらに明らかにするべきポイントは、お金を払ってでも解決したい課題か? ということです。顧客がこまっていることと、顧客がお金を払ってでも解決したいことは、必ずしも一致しません。不便でも、お金を払うほどではないことは、よくあります。
例えば、
- 少し不便だが我慢できる
- 無料の代替手段がある
- 課題が発生する頻度が低い
などの課題は、事業として成立しにくい可能性が高いです。新規事業では、「あったらいいな」ではなく、「ないとこまる」や「今すぐなんとかしたい」レベルの課題を狙うことが重要です。
3 今日からできる市場調査の具体例
市場調査と聞いて、多くの人が苦手意識を持ちます。それは、正確な数値を出さないといけないのでは? 専門的な資料が必要なのでは? などと、考えてしまうからです。新規事業の最初の段階では、おおよその 市場規模や成長性 がわかれば十分です。市場規模と成長性を調べる目的は、①その事業がビジネスとして成立しそうか? ②これから伸びる余地がある市場か? を確認するためです。
ここでは、すぐに実践できる調査方法を、いくつか紹介します。取り組みやすい調査から始めてみてください。市場調査は、一度で終わるものではありません。異なる方法で、くり返し行いながら、多角的に調べることが重要です。
- インターネットを使った市場調査
- 身近な人へのヒアリング
- アンケート調査
- 外部の調査会社へ依頼
インターネットを使った市場調査
インターネットを使った市場調査とは、すでにネット上に存在している情報から市場、顧客、競合 などのヒントを集めること です。①低コストで ②すぐにでき ③何度でもやり直せる のが特徴です。大規模なアンケートや調査会社への依頼の前に、やるべき調査だと考えてください。具体的には、
- 検索エンジンを使った市場調査
- 公的データ、業界データを使った市場調査
- ニュース、業界記事を使った市場調査
- 口コミ、レビューサイトを使った市場調査
- SNSを使った市場調査
などがあります。ただし、インターネット調査だけで完結させずに、必ず他の調査と組み合わせてください。
身近な人へのヒアリング
身近な人に、話を聞いてみるのも、立派な市場調査です。想定顧客に近い知人や取引先があれば、直接話を聞いてみてください。本格的なインタビューでなくても、問題ありません。例えば、次のような質問をしてみてください。
- 今、こまっていることは何ですか?
- それに、どうやって対処していますか?
- 対処に、どれくらいの時間や手間がかかっていますか?
考えている商品やサービスの説明は控えめにして、何にこまっているか? 今どうしているか? を、じっくりと聞いてください。
アンケート調査
アンケート調査とは、複数の人に同じ質問を投げかけ、傾向や共通点をつかむ調査方法 です。新規事業では、自分たちの仮説がどれくらい当てはまりそうか? 少数の声が全体でも通用するか? などを確認するために使います。アンケート調査は、いきなり最初に行う調査ではありません。インターネット調査や身近な人へのヒアリング などで、仮説ができた後に行う調査です。
また、アンケート調査では、以下の点に注意して設計し、結果を分析する必要があります。
- 質問は少なく、簡単な内容にする
- 答えを誘導しない
- 自由記述を必ず入れる
- アンケート結果は、数値だけで判断しない
- セグメントに分けて結果を分析する
外部の調査会社へ依頼
外部の調査会社を使った市場調査とは、第3者の立場から市場、顧客、競合 などを調べてもらうこと です。外部の調査会社による結果は、①社内の思い込みを排除したい時 ②自分たちで調査できない対象を調べたい時 ③経営者向けに説得力を高めたい時 に、かなり役立ちます。
また、外部の調査会社に依頼すると、それなりの金額がかかります。そのため、①調査の目的を明らかにする ②調査会社に仮説を共有する ③調査をすべて丸投げしない などに、気をつけてください。
外部の調査会社を活用する具体例は、以下の通りです。
- 狙っている市場の規模、成長性の調査を依頼する
- アンケート調査の設計、実施を依頼する
- 顧客インタビューを代行してもらう
- 競合の洗い出し、代替手段の整理を依頼する
4 市場調査をどう活かすか?
市場調査を行った後に、それをどう活かすか? は、とても重要です。市場調査の結果を、どのように事業判断につなげていくか? が、成功のカギを握っています。
この章では、市場調査の結果を、事業判断につなげる時のポイントについて、わかりやすく解説します。ポイントは、以下の3つです。
- この新規事業を進めるか?
- どの顧客、どの課題 に集中するか?
- 事業化をやめるか? 見直すか?
この新規事業を進めるか?
まず行うべきなのは、大きな方向性の判断 です。具体的には、この新規事業は、次の検証ステップに進む価値があるか? ということです。この判断は、以下の3つの問いに答えるだけで、明らかになります。それは、
- 実際に、こまっている人はいるか?
- こまりごとに、お金・時間・手間をかけて対処しているか?
- 解決にお金を払う可能性があるか?
この3つすべてが「はい」であれば、次に進める判断をしても、問題ありません。新規事業を進める判断に、確信がもてない場合には、いきなり本格事業化しない という判断もあり得ます。簡易版サービスを作る、限定的な顧客でテストする といった小さな検証を試してみるのです。
もし、こまっている人がほとんどいない、無料なら使う などの結果が出た場合には、立ち止まって考えるべきです。
どの顧客、どの課題 に集中するか?
どの顧客、どの課題に集中するか?とは、最初に、誰の? どのこまりごとを? 最優先で解決するかを決めること です。この狙いを絞る判断で重要なのは、最初の勝ち筋を決めるということです。
市場調査を行うと、必ず以下のような結果が出てきます。
- 顧客が複数いる
- 課題もたくさんある
この状態で、できるだけ多くの顧客を狙い、課題をすべて解決しようとする と、誰にも刺さらない新規事業になってしまいます。
事業化をやめるか? 見直すか?
調査結果をふまえ、撤退する or 見直す ことも、選択肢の1つです。これ以上、経営リソース(ヒト、お金、時間 など)を投入しない!と決めるのも、調査結果を活かした重要な判断です。
事業化をやめる判断をしてよいのは
- 顧客がほとんど見つからない
- 課題が深刻ではなく、行動につながらない
- 支払いの意思が確認できない
などの場合です。
見直す判断をしてよいのは
- こまっている顧客が一定数いる
- 課題が深刻である
- 解決方法がズレている
などの場合です。
これらの判断は、感情に流されないよう冷静に決めてください。調査によって、「やらない理由が明確になった」のであれば、市場調査はムダではなく、役に立ったと言えます。
5 まとめ
今回の記事では、新規事業の市場調査について、解説しました。新規事業で市場調査が必要なのは、アイデアが事業化できるか? を、検証するため です。市場調査では、①その市場は本当に存在するのか? ②誰が顧客なのか? ③その課題は本当に解決する価値があるのか? を、明らかにする必要があります。市場調査は、インターネット調査やアンケート調査など、複数の方法を組み合わせてください。調査結果は、進める or 撤退 or 見直し など、今後の事業判断につなげていくことが、きわめて重要です。
市場調査で明らかにするべき3つのポイント
- その市場は、本当に存在するのか?
- 誰が顧客なのか?
- その課題は、本当に解決する価値があるのか?
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