【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

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新規事業の立ち上げ時のタスク一覧 これだけはやっておこう!


 新規事業の立ち上げを担当することになっても【やるべきタスクは何か?】わからないままに業務を進めるのは、とても不安ですよね?

 初めて新規事業の立ち上げを任されたあなたも、やるべきタスクを知っているだけで、タスクの抜け漏れがなくなり、スムーズに新規事業を立ち上げることができます。

 新規事業に取り組み始めた以前の私は、新規事業を立ち上げる時のタスクを知らなかったので、検討していない大事な項目があったり、上司とすり合わせをし直すことが、良くありました。やるべきタスクを理解した現在では、検討事項に抜け漏れがなくなり、スムーズに新規事業を立ち上げることができます。

 本ページでは、①新規事業の立ち上げ時のタスク と、②優先すべきタスク について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、新規事業の立ち上げ時にやるべきタスクを理解し、自ら主体的に業務を進められようになっているはずです。

1 タスクは3つに分けて考える

 新規事業の立ち上げに必要なタスクを考える場合、以下の3つに分けて考えてください。

【分類1】事業の基本設計
 新規事業の骨格となる基本設計を考えます。最も大切なのは、ビジネスモデルの構築 です。
その他に、①事業の背景 ②事業概要 ③目標設定 ④リーガルチェック(法律、規制 などに反していないか?) ⑤ミッション・ビジョン・バリュー を検討&決定します。
【分類2】事業の実施計画
 事業を進めるための環境分析を行い、具体的に実施する内容を詰めていきます。業界分析、顧客分析、競合分析は非常に重要ですので、入念に検討してください。さらに、マーケティング戦略を立案し、具体的なオペレーションや組織体制を決めていきます。
【分類3】事業の採算性
 売上予測、人件費予測、設備投資計画を考えながら、損益計算書やキャッシュフロー計算書を作成します。
 事業が拡大した場合に必要な資金量や調達時期、調達方法 なども検討します。事業化の決定に関わる重要な項目ですので、慎重な検討が必要です。

2 【分類1】事業の基本設計

 事業の基本設計 段階で検討するべきタスクは、主に以下の6つです。この中で、ビジネスモデルの構築が最も重要 ですので、時間をかけて十分に検討してください。

ビジネスモデルの構築

 ビジネスモデルとは、ビジネスを成立させている仕組みのことです。最初にターゲット顧客を明確にし、提供する製品・サービスを決めます。ビジネスを進める時に、協力会社やアプリなどが必要であれば、リストアップしておきます。ここまでの情報を基に仮のビジネスモデル を構築します。

 さらに、他の項目(事業の背景、事業概要、リーガルチェック など)を検討しながら、仮のビジネスモデルをたたき台にして、ビジネスモデルをより具体的に作り上げます。収益が上がる仕組みや価格(課金モデル)、顧客へ提供する価値が明確になっていることが必要です。

 できれば、簡単な図を描く と頭の整理になるとともに、チームメンバーとのコミュニケーションがスムーズになります。

 ビジネスモデル構築のポイントは、以下の通りです。明確に説明できるように、十分に検討してください。

  • ターゲット顧客 は誰か?
  • 提供する製品・サービスは何か?
  • 価格および課金モデル は明確か?
  • 顧客に どのような価値を提供するか?
  • 競合他社と比較した自社の強みは?

事業の背景

 事業の背景とは、新規事業を行う理由や根拠のことです。事業の背景を言語化することにより、チームメンバーの目線やベクトルを同じ方向に向けることができます。

 以下の内容について、しっかりと理解および整理する必要があります。

  • どのような環境変化があるのか?
  • なぜビジネスチャンスなのか?
  • この事業に取り組む理由は?

事業概要

 事業概要とは、新規事業の基本的な内容やコンセプトを明確化し、事業計画全体を要約したものです。エグゼクティブサマリーと呼ぶこともあります。どのような新規事業なのか、おおよその事業内容がわかるように、簡潔にまとめます。

目標設定

 以下の項目について、具体的な目標を設定します。高い目標をかかげるよりも、実現可能な数値を設定する ことが大切です。経営者や上司から言われた目標をうのみにせず、自分たちで、きちんと考えてください。実現不可能な目標だと、メンバーがやる気を失う可能性があります。

  • 売上高(1年後、2年後、・・・・、5年後)
  • 営業利益(1年後、2年後、・・・・、5年後)
  • 営業利益率(1年後、2年後、・・・・、5年後)
  • マーケットシェア(1年後、2年後、・・・・、5年後)
  • 黒字化の時期

可能であれば、上記以外の目標も設定してください。

リーガルチェック

 リーガルチェックとは、これから始める新規事業が、法律や規制に違反していないか? 公序良俗に反していないか? を調べることです。自分たちで調べてもわからない場合には、規制当局や専門家に問い合わせたり、弁護士に相談する必要があります。法務部門や顧問弁護士に協力してもらいながら、進めてください。

ミッション・ビジョン・バリューの策定

 ミッションとは、事業の存在理由や意義 を具体的に示したものです。言い換えると「私たちは何をするのか?」を簡潔に表したものです。長期的な視点で考えてください。

 ビジョンとは、事業の将来的な理想像 のことです。どのような世界を実現したいのか?を明確にえがく必要があります。

 バリューとは、新規事業が どのような考え方や行動を大切にするかを示す指針 のことです。判断に迷った時や、困難な状況において、判断や行動を導くための基準となります。

 いずれも優先度は高くないので、後回しでもかまいません

3 【分類2】事業の実施計画

 次に、事業を進めていくための具体的な内容を詰めていきます。この段階で検討するタスクは6つです。この中で最も重要なのは、マーケティング戦略の立案 です。6つのタスクは何回も検討を重ね、納得のいくものを作り上げてください。

外部環境の分析

 市場分析と呼ぶこともあります。外部環境の分析で、ターゲット市場の動向を把握し、競合他社や顧客ニーズを理解します。外部環境分析は、新規事業の立ち上げリスクを最小限におさえ、チャンスを最大限に活かすための戦略立案に非常に重要です。ターゲット市場の理解を深めるため、徹底的に分析してください。

 主に以下の項目について、詳しく分析を行います。

  • 業界分析(業界の特徴、トレンドは?)
  • 商圏分析(市場規模、成長性、収益性は?)
  • 顧客分析(顧客の属性、顧客ニーズ、行動パターンは?)
  • 競合分析(競争状況、競合他社の強み・弱み、新規参入の可能性は?)
  • 参入市場の重要成功要因(Key Factor for Success)は何か?
  • 参入市場にどのようなチャンスがあるか?
  • 参入市場のリスクは何か?
  • 競合に対する対策はどうするか?

 すべての項目が、明らかになるとは限りません。事業を進めながら、見えてくることもあります。わからない項目は、必要以上に時間をかけるのではなく、仮説を立てて、後から検討するのも、良い方法です。

内部環境の分析

 内部環境の分析とは、自社の強みや弱み、保有するリソースや財務状況、ブランド力 などを分析することです。冷静になって自社の分析を行い、強みを活かしながら弱点をどのように補うか ひとつひとつ検討を重ねていきます。

 特に分析が必要な項目を列挙します。

  • 自社が持つリソースは?(人材、設備、資金力、顧客基盤、ブランド力 など)
  • 組織文化は?(新規事業を受け入れるカルチャーがあるか など)
  • 物流体制や拠点が活用できるか?

マーケティング戦略の立案

 マーケティング戦略の立案とは、どのようにして顧客に商品やサービスを知ってもらい、購入してもらうかを計画することです。計画通りに進むことはほとんどありませんので、定期的な見直しが必要です。

 マーケティング戦略の立案では、以下の4点を明確にする必要があります。

4つの戦略検討内容
製品戦略どのような製品か、品質、機能、ブランド名、デザイン、パッケージ
価格戦略標準価格の設定、割引、支払い期限
チャネル戦略流通経路、流通業者、品ぞろえ、ロジスティクス
プロモーション戦略広告の選択、広告予算、SNSの活用、プレスリリース、販売促進 

オペレーション体制の構築

 新規事業を立ち上げ、軌道にのせるためには、オペレーション体制(運営体制)の検討も欠かせません。事業が円滑に運営され、業務がスムーズに進むためのポイントは、以下の通りです。

  • 業務プロセスと業務フローをどうするか?
  • 必要な設備・装置・システム・備品は何か?
  • 人員配置をどうするか?(各メンバーに必要なスキルは何か?)

組織体制の検討

 どのような組織体制で新規事業を立ち上げるのか?検討するのも、重要なタスクです。組織体制がしっかりしていれば、役割分担が明らかになり、メンバーが安心して働けるため、成功の可能性が高まります。

 メンバーが少人数の場合(3名以下)には、各メンバーの役割分担と責任範囲だけは、明確にしておいてください。

 組織体制を考える時の重要な視点を以下にまとめました。参考にしてください。

  • 業務の役割分担と責任範囲はどうするか?(組織図の作成)
  • 中長期の人員計画はどうするか?(不足人員をいつまでに、どのように採用するか?)
  • 雇用形態はどうするか?
  • 外部組織との連携をどうするか?(不足している経営資源を協力会社や専門家でどう補うか?)
  • 人的資源の管理はどう行うか?(給与体系、評価制度、教育訓練はどうするか?)

経営資源の確保

 経営資源を確保し、適切に配分することも検討しておく必要があります。経営資源の中でも、特にヒト(人材)、モノ(設備や技術)、カネ(資金)、情報 を効果的に活用することが、重要です。

 経営資源の確保で、検討する主な項目は以下の通りです。

  • 人材の確保と把握(人材や人材がもつスキル・能力をどう活用するか?)
  • 設備や技術の確認(土地、建物、設備、知的財産 など活かせるものは何か?)
  • 資金の確保(十分な資金があるか?)
  • 情報の収集と確保(市場調査と分析、技術トレンドの把握、業界内外のネットワーク確保 などは十分か?)

4 【分類3】事業の採算性

 事業の採算性の段階では、以下の2つのタスクを検討してください。優先すべきタスクは、財務予測 です。採算性の予測は、事業の将来を見通し、投資を判断するために重要なタスクです。自分たちだけで採算性の検討が難しい場合は、専門家にサポートしてもらってください。

財務予測

 財務予測とは、将来の収支を予測して計画をたてること です。新規事業からどのくらいの売り上げがあり、どのだけの費用がかかり、その結果、どれだけの利益が得られるかを、見積もることは重要です。その予測を行うことにより、新規事業が順調に進んでいるかどうかを判断できるようになります。さらに、この予測に基づいて、資金が足りるか? 投資する価値があるか? 判断することもできます。

 重要なポイントをまとめると、次のようになります。

  • 売上計画は?(売上の予測)
  • コスト計画は?(初期投資、人件費、原材料費、販売促進費 などの予測)
  • キャッシュフロー予測(マイナスの時期をどう乗り切るか?)
  • 損益分岐点の分析
  • 予想損益計算書の作成
  • キャッシュフロー計算書の作成

資金調達

 資金調達とは、新規事業を立ち上げるために必要なお金を集めることです。新規事業を始めるためには、製品やサービスを作ったり、広告宣伝を行ったり、人材を採用したりと、多くのお金が必要になります。足りないお金をどうやって集めるか? どう使うか? 前もって検討しておく必要があります。

 資金調達での注意点は、以下の通りです。

  • 必要な資金量は?(どれだけの資金が必要か?)
  • 資金の調達時期は?
  • 資金の調達方法をどうするか?(自己資金、融資、出資、助成金 など)
  • 資金の使用用途は明確か?
  • 融資を受けた場合の返済計画は?

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業を立ち上げる時のタスクを解説しました。これらのタスクを参考にして、新規事業の立ち上げを行えば、業務はスムーズに進みます。自信をもって取り組んでください。

新規事業を立ち上げる時のタスク

  1. 事業の基本設計
    • ビジネスモデルの構築
    • 事業の背景
    • 事業概要
    • 目標設定
    • リーガルチェック
    • ミッション・ビジョン・バリューの策定
  2. 事業の実施計画
    • 外部環境の分析
    • 内部環境の分析
    • マーケティング戦略の立案
    • オペレーション体制の構築
    • 組織体制の検討
    • 経営資源の確保
  3. 事業の採算性
    • 財務予測
    • 資金調達

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