新規事業の担当になったものの【新規事業と既存事業の違い】を知らないまま、新規事業を進めるのは、不安ですよね? 実は、ほとんどの人が、新規事業と既存事業の違いをよくわかっていません。
新規事業を立ち上げることになったあなたも、新規事業と既存事業の違いを知るだけで、新規事業の成功率を大幅に高めることができます。
以前の私は、新規事業と既存事業の違いをほとんど知らなかったので、勘と経験を頼りに業務を進めてしまい、新規事業が前に進まないことがよくありました。数多くの新規事業を経験し、新規事業と既存事業の違いに気づいてからは、新規事業がスムーズに進み、新規事業の成功率がアップしました。
このページでは、①新規事業と既存事業の違いと、②新規事業と既存事業のバランスのとり方 について解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたが知りたい新規事業と既存事業の違いがわかり、新規事業の成功率がアップすること間違いなしです。
1 新規事業と既存事業は違うことだらけ
新規事業と既存事業の違いとは何でしょうか? この質問への回答は、簡単なようでかなり難しいと思います。どの視点、どの切り口から見るかで、色々な違いがあるからです。ここでは、以下の2つの視点から新規事業と既存事業の違いを、見てみます。
- リソース(経営資源)
- 事業運営
リソース(経営資源)から見た違い
| 新規事業 | 既存事業 | |
| 求められる人材・能力 | チャレンジ精神 ねばり強さ コミュニケーション能力 | ルールや手順の順守 ミスのない業務運営 報告・連絡・相談 |
| 必要なモノ(設備、装置) | これから取得 | すでに存在 |
| 必要な資金 | 初期費用 運転資金 | 運転資金 |
| 情報(顧客、市場、競合、ノウハウ) | 不足・これから収集 | すでに保有 |
| 時間の使い方 | 予想外の問題解決 マーケティング・顧客獲得 | ルーチンワーク 会議 |
| 知的財産(特許権、ブランド) | これから取得・構築 | すでに存在 |
リソース(経営資源)から見た場合、最も大きな違いは、求められる人材・能力 と 時間の使い方 です。
新規事業には保有しているものが、何もありません。これから投資をし、新規顧客を取得し、事業を軌道にのせていかなければなりません。ですので、新規事業では、①チャレンジ精神 ②ねばり強さ ③コミュニケーション能力 を持った人材が、求められます。新規事業では、社内で誰も挑戦したことがない未知の分野やむずかしい課題に取り組み、困難や失敗に直面してもあきらめずに、努力し続けることが必要です。さらに、チームメンバー、経営者、顧客、外部パートナー などと効果的なコミュニケーションを行い、これらの関係者を巻き込みながら、業務を進めていかなければならないのです。
また、新規事業では、①予想外の問題解決 ②マーケティング・顧客獲得 に多くの時間を使います。それに対し、既存事業では、ルーチンワークや会議へ使う時間が多いです。
新規事業では、予想外のことが起こっても動じることなく、ひとつひとつ解決していくことが求められます。顧客がいないので、マーケティング活動を継続して行い、顧客獲得に注力する必要があります。試行錯誤しながら、新しい事業をこれから立ち上げたい人には、この上なくやりがいのある仕事です。
事業運営から見た違い
| 新規事業 | 既存事業 | |
| ターゲット市場 | 不明確 | 明確 |
| ビジネスモデル | 未完成 | 完成 |
| 事業の将来 | 予測不可能 | 予測可能 |
| 業務の進め方 | 新しい事業の創造 予想外の問題が発生 柔軟な問題解決 | 安定した業務運営 業務の効率化 業務や担当の明確化 |
| 顧客開拓・営業体制 | これから構築 | すでに保有 |
| 協力会社・パートナー | これから構築 | すでに存在 |
事業運営から見た場合、最も大きな違いは、ビジネスモデル と 業務の進め方 です。
新規事業では、ビジネスモデルが明確になっていないので、仮説をたてて試行錯誤をくり返しながら、①誰に ②どんなサービス(どんな価値)を ③どのような仕組みで提供し ④どう利益を得るか を明らかにしていく必要があります。非常に困難ですが、事業の骨格をつくる最も重要な業務になります。
また、新規事業では、新しい事業を創造し、予想外の問題へ柔軟に対応し解決していかなければなりません。将来の予測が不可能で、顧客開拓・営業体制の構築を進め、協力会社・パートナーを開拓しながら、業務を進めていきます。業務や担当が明らかで、安定した業務運営や効率化が求められる既存事業とは、全く異なる業務の進め方が求められます。
このような違いを意識しながら、新規事業を進めていく必要があります。
2 新規事業が企業に成長と安定をもららす
新規事業の立ち上げは、企業に 成長と安定 の両方をもたらします。
成長とは、企業が事業規模や利益を拡大し、競争力を高めていくプロセスのことです。新規事業を進めることで、次のようなメリットがうまれます。
- 新しい収益源の確保
- 市場シェアの拡大
- イノベーションの推進
- 組織力の向上
安定とは、企業が長期的にリスクを管理し、経営基盤を維持する状態のことです。新規事業は、安定を確保するためにも重要な役割を果たします。具体的には、以下のような理由により、安定がもたらされます。
- 収益源の多様化
- 顧客基盤の拡大
- 競争優位の確保
新規事業を立ち上げることにより、企業は持続的な成長と安定を手に入れ、長期的な繁栄が実現します。企業の存続にとって、新規事業への挑戦は、欠かすことのできない重要な業務なのです。
3 新規事業を成功させるためには準備が必要
新規事業を立ち上げ、成功を手に入れるためには、入念な準備 が必要です。ここでは、経営者 と 新規事業プロジェクトチーム の2つに分けて、それぞれが行うべき準備を説明します。
これらの準備を分担して行うことで、経営者は新規事業の全体的な方向性やリソースの管理に集中できます。新規事業プロジェクトチームは市場分析やビジネスモデル構築、マーケティング活動 などに専念できます。
経営者が行う準備
- 目的の明確化
- 何のために新規事業を立ち上げるのか?を明確に決める
- 長期的な視点で新規事業をどう位置づけ・どう成長させるのか?決める
- ミッション・ビジョン・バリューの策定
- ミッションとは、事業の存在理由や意義 を具体的に示したもの
- ビジョンとは、事業の将来的な理想像 のこと
- バリューとは、どのような考え方や行動を大切にするかを示す指針 のこと
- リソースの配分
- ヒト、モノ、資金、時間 などのリソースをどのように配分するか?決定する
- 資金調達
- 必要な資金を、どこから調達するか?あらかじめ考えておく
- 投資家や銀行への説明や交渉は、早めに着手する
- ガバナンス体制の確立
- 新規事業を管理するための体制や仕組みをつくる
- 定期的に進捗報告をうけ、事業が問題なく進んでいるか?確認する
- サポート体制の構築
- 既存事業の関係者に、新規事業の重要性を伝え、理解と協力を求める
- サポートできるよう社内体制を整える
新規事業プロジェクトチームが行う準備
- 市場分析
- ターゲット市場の動向を把握し、競合他社や顧客ニーズを理解する
- ビジネスモデルの構築
- 収益が上がる仕組みや価格(課金モデル)、顧客へ提供する価値 などを明確にする
- テストマーケティングの実施
- プロトタイプ(最小限の機能をもった製品・サービス)を活用し、テストマーケティングを行う
- 顧客ニーズを満たしているのか? どのような改善が必要か? 確認する
- マーケティング戦略の立案
- 製品戦略、価格戦略、チャネル戦略、プロモーション戦略 を、明確にする
- 財務予測
- 将来の収支を予測して計画をたてる
新規事業を成功させるためには、経営者がしっかり準備し、体制をつくることが特に重要です。経営者が他人任せで、担当者から報告を受けるだけの企業が多くみられます。経営者が本気で取り組まないと、社員も本気を出さないので、新規事業の成功が遠のいてしまいます。
経営者は、新規事業プロジェクトチームを責める前に、自分が本気で取り組み、新規事業の担当者が業務を進めやすい体制になっているのか、もう一度確認してください。
4 新規事業と既存事業のバランスのとり方
既存事業を進めながら、新規事業を立ち上げるには、うまくバランスをとる必要があります。特に経営者は、常に両事業の現状を把握し、きめ細やかな修正が必要です。両事業のバランスをとる時に、気をつけるポイントは以下の通りです。
- リソース配分
- 既存既存事業への影響
- コミュニケーション
- 長期的な視点
- シナジー効果
この中でも、特に注意が必要なのは、リソースの配分と既存事業への影響です。
リソースの配分
リソースの中でも、ヒト、モノ、資金、時間をどのように配分するのか?は、非常に重要です。しかしながら、会社の状況や外部環境によって、最適な配分は異なりますので、正解はありません。新規事業への投資は、段階的にリソースを割り当てていく のが理想的です。最初は、少人数が限られた資金や時間で新規事業を検討し、成功の可能性が見えてきたら、追加でリソースを投入します。
外部の専門家の活用 も有効です。経験やノウハウ不足をお金を払い補うのです。そうすることで、社内リソースを圧迫することなく、新規事業を立ち上げることが可能になります。
既存事業への影響
新規事業を立ち上げる時に、既存事業をおろそかにしてしまうと、安定した売上や利益に影響がおよぶリスクがあります。既存事業が安定して運営できる体制を確保する のが、最優先です。
また、新規事業のプロジェクトメンバーを兼任にすると、業務過多で両方のパフォーマンス落ちる可能性があります。新規事業は、なるべく別組織で進めた方が、既存事業への影響を減らせます。
5 まとめ
今回の記事では、新規事業と既存事業の違いを解説しました。新規事業の特徴を理解しながら、新規事業を立ち上げれば、新規事業の成功率がアップすること間違いなしです。人材を活かしながら、新しい事業を創造し、予想外の問題へ柔軟に対応&解決しながら、新規事業を進めてください。
新規事業と既存事業の違い
リソース(経営資源)から見た違い
- 新規事業では、①チャレンジ精神 ②ねばり強さ ③コミュニケーション能力 を持った人材が、求められる
- 新規事業では、①予想外の問題解決 ②マーケティング・顧客獲得 に多くの時間を使う
事業運営から見た違い
- 新規事業は、ビジネスモデルが未完成
- 新規事業では、新しい事業を創造し、予想外の問題へ柔軟に対応&解決することが必要