【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

新規事業の立ち上げ時のポイント、ビジネスモデル、事業計画書、スケジュール、タスク、プレゼン資料 などをわかりやすくまとめた情報サイト


新規事業の計画書をかんたんに作る方法を解説!


 新規事業の担当者になったものの【事業計画書の作り方】を知らないまま、新規事業の検討を進めても、成功するわけないですよね?

 新規事業を立ち上げることになったあなたも、事業計画書の作り方を知り、それを実行するだけで、新規事業がスムーズに進み、新規事業の成功率が高くなります。

 以前の私は、新規事業を立ち上げる時の計画書の作り方を知らなかったので、経営者やチームメンバーに、新規事業の計画を理解してもらえず、何度も何度も説明していました。新規事業の立ち上げをたくさん経験し、事業計画書を作るポイントや活用方法を理解してからは、事業計画書の作成が得意になり、新規事業の立ち上げで苦労することが、ほとんどなくなりました。

 ということで、このページでは、①計画書に必要な項目 と、②計画書作成の重要なポイント について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、新規事業の立ち上げに必要な事業計画書の作り方を理解し、経営者やチームメンバーの協力を得ながら、新規事業を簡単に立ち上げられるようになっています。

1 新規事業の計画書とは何か?

 新規事業を立ち上げる時に作る計画書のことを、事業計画書と呼んでいます。事業計画書とは、新規事業を説明し実行するために作成する詳しい内容を記載した文書 のことです。ビジネスプランと呼ばれることもあります。

 事業計画書を作成する目的は、主に以下の4つです。

  • 事業の内容、魅力、将来性などを明確にし、関係者と共有するため
  • 経営者から承認を得て、社内リソース(ヒト、モノ、資金 など)を確保するため
  • 投資家から資金を獲得するため
  • 事業の進捗を確認し、問題を解決するため

 事業計画書と似た文書として、事業企画書があります。両者はよく似ていますが、いくつかの点で異なっています。両者のちがいを、以下に簡単にまとめました。

事業計画書事業企画書
目的実行の準備や資金調達を進めるためアイデアの提案と承認を得るため
作成のポイント具体的に詳細な内容を記載する簡潔に概要を記載する
作成のタイミング新規事業が承認され実行する時新規事業の立案時・承認を得る時
見せる人経営者、投資家、チームメンバー経営者、承認者、チームメンバー
分量パワポで30~40ページパワポで10~20ページ

【注意】人や組織によって、事業計画書と事業企画書をほとんど同じ意味で使う場合もあります

 事業計画書を作成する場合、主に2つのパターンがあります。どのような進め方をするかは、人や組織によって、異なります。

事業企画書を作成するパターン

まず事業企画書を作成し、アイデアの提案を行い、社内での承認を得ます。その後に、詳細な内容を記載した事業計画書を作成します。

最初から事業計画書を作成するパターン

最初から事業計画書を作成し、社内での承認を得ます。その後に、事業計画書を加筆・修正し、完成度を高めます。

 新規事業が計画通りに進むことは、ほとんどありません。事業計画書は、現状にあわせて常に修正する必要があります。

2 計画書に必要な項目

 新規事業を立ち上げる時に作成する事業計画書は、新規事業を成功させるための道筋を明らかにし、経営者や投資家、チームメンバー などに、その価値を伝える重要な文書です。事業計画書は、作成者によってフォーマットや項目が異なりますが、必ず書いておくべき項目があります。それは、以下の11項目です。必要に応じて、項目を追加したり、削除しながら、作成してください。詳細なデータや調査結果は、付録に記載するのが、おすすめです。

  • 表紙
  • 目次
  • エグゼクティブサマリー(要約)
  • 事業概要
  • ビジネスモデル
  • 市場分析
  • マーケティング戦略
  • 組織体制とオペレーション
  • 財務計画
  • リスク分析と対策
  • 付録

表紙

 表紙は、事業計画書の顔ですので、とても重要です。表紙には、以下の項目を必ず記載してください。

  • タイトル
  • 作成日
  • 作成者

 簡潔で魅力的なタイトル をつけてください。できれば、サブタイトルをつけ、表紙で内容がわかるようにします。機密文書の場合は、「Confidential」や「社外秘」などを記載してください。

目次

 経営者や投資家 などの読み手が、短時間で重要なポイントを把握できるように、目次を準備してください。それぞれの項目を、箇条書きで記載し、ページ番号を明記します。

エグゼクティブサマリー(要約)

 エグゼクティブサマリーとは、事業計画書の重要なポイント(事業概要、ビジネスモデル、市場分析、マーケティング戦略、財務計画、リスク分析と対策 など)を、簡潔にまとめたものです。計画書の全体像を、わかりやすく記載します。事業の全体像を把握してもらうために、必須の項目です。

事業概要

 事業概要では、新規事業を考えるに至った背景(環境の変化、ビジネスチャンス など)、事業の目的、目標、事業の特徴、ミッション、ビジョン、バリュー などを説明します。

ビジネスモデル

 ビジネスモデルとは、ビジネスを成立させている仕組み のことです。つまり、①誰に ②どんなサービス(どんな価値)を ③どのような仕組みで提供し ④どう利益を得るか を明確にしたものです。できれば、簡単な図 にまとめてください。

ビジネスモデル構築のポイントは、以下の通りです。

  • ターゲット顧客 は誰か?
  • 提供する製品・サービスは何か?
  • 価格および課金モデル は明確か?
  • 顧客に どのような価値を提供するか?
  • 競合他社と比較した自社の強みは?

市場分析

 市場分析では、ターゲット市場の顧客の特定、顧客ニーズ、競合分析、業界の動向 などを把握します。新規事業のリスクを最小限におさえ、チャンスを最大限に活かすためには、非常に重要です。主に、以下の内容について分析します。

  1. 顧客分析
    • 顧客の属性は? 年齢、性別、職業、収入、居住地 など
    • 顧客のニーズは? 具体的なニーズや課題 など
    • 行動パターンは? 商品やサービスを利用する理由、購買の意思決定の流れ など
  2. 競合分析
    • 競争状況は? 競合企業を特定し、特徴や市場シェア など
    • 競合の強み・弱みは? 技術力、ブランド力、コスト競争力 などの強み、顧客サポートの不足、商品ラインナップの狭さ などの弱み
    • 競合の戦略は? 価格戦略、マーケティング戦略、ターゲット顧客 など
  3. 業界分析
    • 業界の特徴は? 市場規模は? 成長性は? 収益性は?
    • 業界のトレンドは?
    • 業界のリスク・チャンスは?
    • 業界の重要成功要因(Key Factor for Success)は?

 徹底した市場分析を行い、ターゲット市場の中で、競合他社と戦うのに有利な立ち位置 を見つけます。

マーケティング戦略

 マーケティング戦略とは、新しい商品やサービスを顧客に知ってもらい、それらに興味をもってもらい、最終的に購入してもらうためにどのような活動を行うか? ということです。

 市場分析で、競合他社と戦うのに有利な立ち位置を見つけていますので、マーケティングの4P(製品、価格、流通、プロモーション)の具体的な施策を考えます。それぞれの施策で考えるべき具体的な内容は、以下の通りです。

4P概要具体的な項目
製品提供する製品・サービスは?機能、内容、パッケージ、デザイン、品質、付帯サービス
価格製品・サービスの価格は?標準価格、割引、支払い方法、支払期限
流通流通経路はどうするか?チャネル、流通範囲、品ぞろえ、輸送、ロジスティクス
プロモーションコミュニケーションはどうするか?広告、販売促進、PR、口コミ、SNS

組織体制とオペレーション

 まずは、社内リソース(社内の経営資源)を確認します。その中でも、ヒト(人材)モノ(設備や技術)カネ(資金)情報 に着目てください。具体的な確認・検討項目は、以下の通りです。

社内リソース検討項目
ヒト(人材)誰を選ぶか? 人材がもつスキル・経験 をどう活用するか?
モノ(設備や技術)土地、建物、設備、知的財産 など活かせるものは何か?
カネ(資金)十分な資金があるか?
情報市場調査や分析、業界内外のネットワーク など活かせるか?

 次に、組織体制を検討します。チーム構成(チームメンバーの役割と責任、具体的な業務内容 など)や意思決定の流れ、協力会社の活用 などを、明らかにします。メンバーが多い場合は、組織図を書くと、読み手が理解しやすくなります。

 最後に、オペレーション(どのように業務を進めるのか?)を、説明します。業務の全体像と各業務の担当者について説明してください。社内リソースで足りない部分は、外部リソースの活用 を検討します。

財務計画

 財務計画では、事業の収益性や持続可能性を示します。経営者や投資家を納得させるために欠かせない項目です。具体的な数値を用いて、現実的な予測を行う ことが重要です。計画を評価してもらうために、楽観的な収益計画を立てると、逆に信頼を失いますので、注意が必要です。

 説得力を高めるために、わかりやすいグラフや表を活用して視覚的に説明してください。財務計画には、以下の内容を盛り込んでください。

  • 損益計算
    • 売上高、売上原価、粗利(売上総利益)、販管費(販売費および一般管理費)、営業利益 など
  • キャッシュフロー計算
  • 資金調達計画
  • 損益分岐点

初期投資額ランニングコスト は、必ず明示してください。

リスク分析と対策

 新規事業の立ち上げで予想されるリスクとそれに対する適切な対策を明示します。新規事業を立ち上げる時は、予想外の問題やトラブルが、必ず発生します。事業計画書の中に、発生が予測されるリスクと、それに対する予防策や対応策を考えておくことで、評価が高まります。

 考えられるリスクについて、以下に示します。

  • 売上が伸びない(どうやって売上を確保するか?)
  • 新しい商品やサービスの登場(どうやって競合と差別化するか?)
  • 資金不足(余裕をもった資金計画か? 不足時はどこから資金を調達するか?)
  • 新しい技術の登場(新しい技術にどう対抗するか? 技術開発をどう進めるか?)
  • メンバーの脱落や退職(どうやって人材に定着してもらうか? どうやって組織を運営するか?)

付録

 詳細情報や参考データなど、これまでの説明を補足するための資料を添付します。具体的には、

  • 市場調査データ
  • 商品やサービスの詳細仕様
  • 参考文献
  • チームメンバーの経歴や実績

などです。

3 計画書作成の重要なポイント

 新規事業の計画書は、経営者や投資家、チームメンバーに事業の将来性や魅力を伝え、協力してもらうために重要な文書です。事業概要(事業の目的、特徴、ミッション、ビジョン、バリュー など)は、熱意が伝わるように記載しますが、マーケティング戦略や財務計画は、客観的なデータや裏づけに基づいて、論理的に作成する必要があります。

 事業計画書を作成する時に、特に重要なポイントは、以下の2点です。この2点を意識しながら事業計画書を作りあげれば、新規事業の立ち上げはスムーズに進みます。もし、課題や問題点に直面したとしても、必ず乗りこえることができます。

  1. ビジネスモデルの構築
  2. アクションプランとスケジュールの明示

ビジネスモデルの構築

 事業計画書の中心にあり、最も時間をかけて検討しなければならないのが、ビジネスモデルの構築 です。すぐれたビジネスモデルは、誰に? どんな価値を? どのような仕組みで? 提供し、どう利益を得るか? が明確になっています。また、その事業が、継続して収益を生み出していくことを示す必要があります。

 以下の要素を含めることで、わかりやすいビジネスモデルが構築できます。

  • 顧客は誰なのか?
    • ターゲットとなる顧客の特徴(年齢、性別、職業、行動パターン など)
    • 顧客の課題やニーズ
  • 提供する価値は何なのか?
    • 顧客にとってのメリット(利便性向上、コスト削減、品質向上 など)
    • 商品やサービスの差別化ポイント
  • 価値を届ける方法は?
    • 販売チャネル(オンラインストア、販売代理店 など)
    • 購入までの流れ
  • どう利益を得るのか?
    • 収益モデル(サブスクリプションモデル、広告モデル など)
    • 収益の仕組み(売上構成、利益率 など)
    • 発生するコスト(設備投資、マーケティング費用 など)

 ビジネスモデルは、1度つくって終わりではありません。成功するまで、何回も何回も確認し、修正することを忘れないでください。また、視覚的にわかりやすいように、図やフレームワークを使って説明するのは、必須です。

アクションプランとスケジュールの明示

 アクションプランとは、目標を達成するための具体的な行動計画のことです。スケジュールとは、いつ行うかを示した計画表のことです。アクションプランとスケジュールの明示を言い換えると、具体的な行動をいつ行うのか?を明らかにすること です。

 具体的な行動計画を明示することにより、新規事業の実現可能性が高まります。誰が?どのタスクを?いつまでに? やり遂げるかを明らかにするのが、ポイントです。これにより、チームメンバーの役割や責任範囲がわかりやすくなり、チーム全体の連携もよくなります。

 注意点は2つあります。①タスクに優先順位をつけること ②余裕をもったスケジュールにすること  です。タスクに優先順位をつけることで、チームメンバーの頭が整理され、効率よくタスクを実行できるようになります。また、無理のあるスケジュールだと、チームメンバーに過度なプレッシャーを与え、本来のパフォーマンスを発揮できない可能性があります。

 さらに、事業計画書に、具体的なアクションプランとスケジュールが書かれていると、読み手に実現の可能性や熱意が伝わります。これらを明示すると、自分やチームメンバーへのプレッシャーになりますが、成功の可能性を高めるために、ぜひ計画書に入れてください。

4 計画書を作った後は、認識あわせや進捗管理に活かす

 事業計画書を作成しなくても、新規事業を始めることはできます。しかしながら、事業計画書を書くことにより、新規事業の成功確率が高くなることが、これまでの調査や研究で明らかになっています。

 事業計画書は作成して終わりではありません。むしろスタートです。事業計画書は、上手に活用するツールと考えて下さい。データや調査結果を分析したり、創造力を働かせ、これまでの知識や経験を総動員して、事業計画書を作りあげているはずです。経営者や投資家に、理解してもらったので、すぐにお蔵入りさせるのは、非常にもったいないことです。

 事業計画書をどのように活かすかによって、新規事業の成功が左右されると言っても、過言ではありません。新規事業の成功確率を上げるためにも、ぜひ事業計画書を積極的に活用してください。事業計画書の活用方法は、以下の3つです。

  • チームメンバーの認識をあわせる
  • 進捗を管理する
  • モチベーションを維持する

チームメンバーの認識をあわせる

 事業計画書をチームメンバーに共有し、事業の目的、目標、ミッション、ビジョン などをしっかりと伝えてください。チームメンバーが共通認識をもつことで、同じ方向を向いて業務を進めていけるようになり、メンバー同士の連携がスムーズになります。

 キックオフミーティングや定期的なミーティング時に、くり返し説明し、同じ認識で協力し合えるように努めてください。

進捗を管理する

 事業計画書に、アクションプランやスケジュールを記載しておけば、進捗管理にも利用できます。定期的に進捗を確認しながら、目標や計画に対してどのくらい進んでいるのか?チェックします。もし、計画通り進んでいなかったり、問題が発生した場合には、スケジュールを見直したり、アクションプランを再策定します。

 事業計画書は、あくまで仮説で作っていますので、最初に作った案にこだわるよりも、状況に合わせて柔軟に変更しながら、進捗管理を行ってください。計画よりも大幅に遅れている場合は、その理由と対策をしっかり考える必要があります。

モチベーションを維持する

 新規事業の立ち上げは、新しいビジネスを作り出す業務ですので、多くの課題が発生し、それらをひとつずつ解決していくことが求められる根気のいる作業の連続です。計画通りに進まず、気分が落ち込んだり、モチベーションが上がらない日もあります。

 そんな時こそ、事業計画書を活用してください。事業の目的やミッション、ビジョン、バリュー をチームメンバーで再確認することにより、チームメンバーのやる気を引き出し、モチベーションを高め、チームの一体感を強めることができます。

 事業計画書を定期的に共有し、目標や方向性をメンバー全員が思い返すことにより、メンバーの迷いが軽減し、モチベーションを維持できるようになります。

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業を立ち上げる時の事業計画書の作り方を解説しました。重要なポイントを理解し、必要な項目をきちんと記載すれば、新規事業の事業計画書を作り上げるのは、それほど難しくはありません。事業計画書を作った後は、チームメンバーの認識あわせや進捗管理に活用すれば、新規事業がスムーズに立ち上がること間違いなしです。

計画書作成の重要なポイント

  1. ビジネスモデルの構築
  2. アクションプランとスケジュールの明示

PAGE TOP