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ライセンシングとは? ビジネスモデルをわかりやすく解説!


 「ライセンシング」を活用して、新規事業を始めようと思っても、 【ライセンシング】 を、よく知らないままビジネスを始めるのは、ちょっと不安ですよね?

 新規事業を検討しているあなたも、ライセンシングの仕組みと特徴、メリット・デメリットを知っているだけで、自社の知的財産を活用して、新規事業を始めたくなります。特に、知的財産(特許、商標、著作権、ノウハウ など)が明確で、差別化された価値がある 商品・サービスの場合には、最適なモデルです。

 以前の私は、ライセンシングについては、あまり興味がありませんでした。そのため、自社の知的財産(特許、商標、ノウハウ)を活かして、新規事業を始めようと考えたことは、皆無でした。ライセンシングの仕組みや特徴を理解した今では、自分たちの保有する知的財産を活用した事業を、検討するようになりました。

 このページでは、①ライセンシングの仕組み・特徴 と、②ライセンシングが適している商品・サービス について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、ライセンシングの仕組みや特徴、メリット・デメリットがわかり、自社の知的財産を活用して、新規事業を立ち上げたくなります。

1 ライセンシングとは何か?

仕組み

 ライセンシングとは、自社が保有する知的財産(特許、商標、著作権、ノウハウ など)を、他社(ライセンシー)に使用を許可し、その対価としてロイヤリティ(使用料)を受け取るビジネスモデル です。

 自社で製造・販売をしなくても、収益が得られるため、自社の知的財産を「収益を生む資産」として活用できます。製造設備や販売網を持たない企業でも、ブランドや優れた技術があれば、パートナー企業を通じて市場展開が可能になります。

 ライセンシングの説明で、「ライセンサー」と「ライセンシー」という言葉が、必ず出てきますので、以下に簡単に説明します。ライセンサーとは 貸す人 、ライセンシーとは 借りる人 です。

言葉の意味立場
ライセンサー権利を貸す側知的財産の所有者
ライセンシー権利を借りる側知的財産の使用者

特徴

 ライセンシングの特徴をまとめると、主に以下の4つです。

特徴説明
低リスク・低コストでの市場参入自社で製造設備や販売拠点を構える必要がない
知的財産が継続的な収益源になるライセンス契約を結べば、ロイヤリティが継続的に入る
素早い市場普及が可能複数のライセンシーと契約すれば、市場普及が早くなる
権利範囲の柔軟なコントロール使用期間、地域、販売チャネル などを契約で設定できる

2 ライセンシングが適している商品・サービス

 ライセンシングは、①知的財産が明確 ②複製・展開がしやすい ③差別化された価値がある 商品・サービスが向いています。

 特に、ライセンシングが適している商品・サービスは、以下の通りです。

商品・サービス特徴
キャラクター人気キャラクターの絵柄や名称を使用する権利を付与
医薬品の特許技術新薬の製造特許を、製薬会社にライセンス供与
フランチャイズブランド・メニュー・運営ノウハウ などを、まとめてライセンス供与
ファッションブランド高級ブランドのロゴ・デザイン などを使用する権利をメーカーに付与
楽曲の著作権CM・映画・ゲーム などで使用する権利を付与
スポーツブランドロゴ・ユニフォームデザインを、スポーツ用品メーカーや衣料品メーカーに貸与
教育コンテンツ独自のカリキュラムや教材を、教育機関・企業にライセンス提供
研修プログラム体系化されたビジネス研修・自己啓発プログラム などを、企業・個人講師に貸与

3 ライセンシングを活用するメリット・デメリット

 ライセンシングは、「持っている知的財産を最大限に活かす」戦略です。自社の技術・ブランド・ノウハウ などを、他社に使わせることで、製造や販売に多額の投資をせずに、収益を生み出せるすぐれたビジネスモデルです。しかしながら、その手軽さの裏に、見落としがちなリスクも潜んでいます。

 ライセンシングは万能な戦略ではなく、自社の強みや事業フェーズによって、向き・不向きが明確に分かれます。メリットとデメリットを正確に理解したうえで、自社にとって本当に有効な活用法を見極める必要があります。

 ライセンシングのメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット

  • 初期投資が少なくてすむ
  • 安定したロイヤリティが得られる
  • 複数市場へ同時に展開できる
  • 事業リスクを他社(ライセンシー)に移転できる
  • コア事業にリソースを集中できる
  • ライセンシーの活動により、ブランド・技術の認知度が高まる

デメリット

  • ブランド・品質のコントロールがむずかしい
  • ロイヤリティ収入の利益率が低い
  • ライセンシーが競合になるリスクがある
  • 知的財産の漏洩・模倣リスクがある
  • ライセンシーの継続的な管理・モニタリングが必要
  • 顧客との直接の接点が失われる

4 ライセンシングの落とし穴

 ライセンシングは、自社の知的財産を活かして、低リスクで収益を生み出せるため、非常に魅力的です。しかしながら、「契約さえ結べば、あとは収益が入ってくる」という甘い認識で始めると、深刻なトラブルに巻き込まれるリスクがあります。実際、ライセンシングに参入した企業の多くが、事前の想定とは大きく異なり、ブランドの毀損・技術の流出・収益の未達 といった痛手を負っています。

 ライセンシングで失敗する企業に共通しているのは、「知的財産を渡した後のことを軽く見ていた」という点です。ライセンス契約は、締結がゴールではなく、そこからがスタートです。ライセンシングを成功させるためには、ライセンシーの管理、品質のチェック、市場の変化への対応 など、継続的な取り組みが必要です。

 この章では、ライセンシングを進める企業が陥りやすい落とし穴を、3つ取り上げます。これらを事前に把握しておくことで、リスクを最小化し、ライセンシングの成功確率を高めます。

  • 契約書に不備があり、後から紛争になる
  • ライセンシーにブランドを傷つけられる
  • 技術・ノウハウが流出し、競合を育ててしまう

契約書に不備があり、後から紛争になる

 ライセンシングにおける契約書は、単なる「取り決めの書面」ではありません。ライセンサーとライセンシーの権利・義務・責任のすべてを規定する 最重要文書 です。

 ビジネスの現場では、「信頼関係があるから、細かい契約は不要」「口頭で合意できているから大丈夫」などの判断により、後に深刻なトラブルを引き起こすケースが、後を絶ちません。特に、ライセンシングは、契約期間が数年から数十年にわたることが多く、その間に、市場環境・企業の経営状況・担当者・技術水準 など、あらゆる状況が変わります。そのため、契約締結時には想定していなかった事態が、必ず起きます。不測の事態が起こった時に「どう対処するか」を、事前に文書で定めておくことが、紛争を防ぐ唯一の手段です。

 また、ライセンス契約の紛争は、他のビジネストラブルよりも、問題が複雑化し、解決までに時間がかかる傾向にあります。知的財産の権利解釈・ロイヤリティの算定・損害賠償の範囲 など、専門的な判断を求められる争点が多く、訴訟に発展すれば、数年単位の時間と数千万円のコストが発生することもあります。その間は、訴訟に労力を割かざるを得ず、事業は停滞し、ブランドイメージが毀損してしまいます。

 契約書の作成やチェックに投じる時間や費用は、起こりえる紛争リスクと比べれば、圧倒的に小さなものです。「契約書は面倒なもの」ではなく、「事業を守る最強のリスクヘッジ」として捉えることが、ライセンシングを成功させる出発点になります。

 よくある失敗例は、以下の4つです。

  • ロイヤリティの算定基準があいまいで、収入が減った
  • 独占・非独占の範囲があいまいで、市場が混乱した
  • 契約終了後の取り決めがあいまいで、製品の販売を続けられた
  • 品質管理の条項がなく、低品質の商品が流通した

 「売上」の5%をロイヤリティとして支払う と、契約書に記載したものの、「売上」の定義を明確にしていないと、返品・値引き・流通コスト などを控除した後の売上を基準に計算され、本来よりも少ないロイヤリティしか支払ってもらえないケースは、よくあります。また、独占・非独占の範囲があいまいだと、同じ市場に複数のライセンシーが乱立し、価格競争が起きて、ブランド価値が低下することがあります。さらに、契約終了後の取り決めを明記していない場合も非常に危険です。契約が終了した後も、ライセンシーが在庫を販売し続けたり、習得したノウハウを使って、似たような事業を続けたりするリスクがあります。

 契約書は、弁護士・弁理士と連携し、権利範囲・期間・地域・ロイヤリティ計算・契約解除条件・終了後の処置 など、あらゆる状況を想定して精緻に作り込むことが、必要不可欠です。

ライセンシーにブランドを傷つけられる

 ライセンシングの成否は、ライセンシー選びで、ほとんどが決まる といっても過言ではありません。にもかかわらず、「有名な会社だから」「条件が良かったから」といった表面的な理由だけでパートナーを決めてしまい、後悔するケースが非常に多く見られます。

 特に注意すべきなのは、①資金力 ②製造品質 ③ブランドへの理解 ④コンプライアンス意識 の4つです。財務基盤が脆弱なライセンシーは、新規事業が軌道に乗る前に経営悪化し、ロイヤリティの支払いが滞るリスクがあります。製造品質が低いライセンシーは、低品質の製品が市場に出回り、顧客の不満がブランドやライセンサーへの不信感につながります。また、ブランドの世界観や価値観を理解していないライセンシーが、安易な値引き販売や不適切なプロモーションを行い、ブランドイメージを傷つける場合もあります。一度傷ついたブランドの信頼回復には、長い時間と多大なコストが必要です。

 さらに、海外ライセンシーの場合は、現地の法規制や商習慣への対応力も確認が必要です。悪意のないミスであっても、現地の規制違反が、ライセンサーにも波及するリスクがあります。契約前のデューデリジェンス(企業調査)を徹底し、トライアル期間を設けるなど、ライセンサーを慎重に見極める仕組みを、必ず取り入れてください。

技術・ノウハウが流出し、競合を育ててしまう

 ライセンシングの大きな落とし穴の1つに、技術やノウハウの流出があります。ライセンス供与とは、自社の核心的な技術やノウハウを他社に開示することであり、開示した情報が、外部に広がるリスク を常にはらんでいます。

 最も深刻なのは、ライセンシーが契約期間中に技術やノウハウを習得・内製化し、契約終了後に自社と競合する事業を立ち上げるケースです。契約書に「競業避止条項」を盛り込んでいても、「競合事業」の範囲の解釈をめぐって争いになることが多く、法的に完全に防ぐことは不可能です。

 また、海外展開の場合、知的財産保護の制度が未整備な国・地域でのライセンス供与は、特に注意が必要です。現地の法律では特許や商標の保護が不十分なケースがあり、模倣品が堂々と流通し、正規品の市場を侵食するリスクがあります。実際に、アジアの一部地域では、ライセンシーがノウハウを習得した後に契約を打ち切り、自社ブランドで同一製品を製造・販売するという事例が、散見されます。

 対策としては、以下の3つが考えられます。

  • 供与する技術・ノウハウを、必要最小限に絞ること
  • 段階的に技術・ノウハウを、開示すること
  • 定期的な監査と契約の見直しを行うこと

 「信頼しているから大丈夫!」という油断は禁物です。

5 まとめ

 今回の記事では、ライセンシングの仕組み・特徴と、ライセンシングが適している商品・サービスについて、解説しました。ライセンシングは、自社が保有する知的財産を、他社に使用許可し、その対価としてロイヤリティ(使用料)を受け取るビジネスモデルです。①初期投資が少なくてすむ ②安定したロイヤリティが得られる などのメリットがありますが、①ブランド・品質のコントロールがむずかしい ②ロイヤルティ収入の利益率が低い などのデメリットもあります。ライセンシングには、知的財産が明らかで、複製・展開がしやすく、差別化された価値がある 商品・サービスが向いています。

ライセンシングとは?

ライセンシングとは、自社が保有する知的財産(特許、商標、著作権、ノウハウ など)を、他社(ライセンシー)に使用を許可し、その対価としてロイヤリティ(使用料)を受け取るビジネスモデル です

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