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新規事業の立ち上げ経験者の活かし方3選


 新規事業の 【立ち上げ経験者の活かし方】 を知っていますか? 経験者が活躍してくれたら、企業はもっともっと成長するはずですよね?

 新規事業の立ち上げ経験者の活かし方で迷っているあなたも、経験者を活かせない理由・経験者の活かし方 を知れば、企業を順調に成長させられるようになります。

 以前の私は、新規事業の経験者について何も知らなかったので、経験者を企業の財産だと考えず、どう活用するか?考えることはありませんでした。その結果、経験者のモチベーションが上がらず、指示待ちになってしまい、企業の成長は加速しませんでした。新規事業の経験者の価値に気づいてからは、経験者を活かし、企業を活性化できるようになりました。

 この記事では、①なぜ新規事業の経験者が財産なのか? ②経験者を活かせない理由 ③経験者の活かし方 について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、新規事業の経験者が財産であることを理解し、彼らの協力を得ながら、企業を着実に成長させられるようになります。

1 なぜ、新規事業の経験者は財産なのか?

 新規事業にチャレンジした社員は、企業にとって貴重な存在である そう言われるものの、その価値が認められ、組織の中で活かされることは、ほとんどありません。財産であると気づいている企業は、まれです。

 新規事業の立ち上げでは、社内では誰も挑戦したことがない未知の分野やむずかしい課題に対して、全身全霊で取り組みます。その過程では、市場調査を行い、顧客と真剣に向き合い、仮説と検証をくり返しながら、事業を形にしていきます。このような経験を通して身につけた知見やスキル、ノウハウは、机上の空論ではなく、変化の激しい現代のビジネス環境において、企業が成長し続けるのに、欠かせないものです。

 しかしながら実際には、新規事業の中断・終了後、経験者は元の部署に戻ったり、知見やノウハウが活かせない部署に配属されたりしています。経営者や人事責任者は、新規事業の経験を、高く評価することは、ほとんどありません。企業は、目の前に財産があるにもかかわらず、気づいていないのです。

 本章では、なぜ新規事業の経験者が「企業の財産」といえるのかについて、その理由を整理しながら、わかりやすく解説していきます。

 新規事業の経験者が、企業の財産である理由は、主に以下の3つです。

  • チャレンジ精神を持っているから
  • 仮説検証をくり返す思考を持っているから
  • コミュニケーション能力が高いから

チャレンジ精神を持っているから

 新規事業の経験者が、企業の財産といえる大きな理由の1つは、チャレンジ精神をもっているから です。チャレンジ精神とは、新しいことに積極的に取り組む意欲や姿勢のこと です。

 既存事業は、すでにやり方が確立しているため、安定した業務運営や効率化が求められます。それに対し、新規事業は、「何が正解か、全くわからない状態」からスタートし、試行錯誤をくり返しながら、問題を解決し、事業を確立していきます。

 成功する保証もなく、失敗する可能性が圧倒的に高いため、多くの人は新規事業にチャレンジすることを、ちゅうちょします。サラリーマンで、チェレンジ精神をもつ人は、ほとんどいません。そのような中で、新規事業にとり組んだ社員は、不確実性を自ら受け入れ、「前例のない環境」に一歩を踏み出した貴重な人材です。

 そもそも企業の成長は、新しいチャレンジからしか生まれません。新しい市場への参入、新規商品の開発、業務改革 など、どれも最初は、「社内で誰も挑戦したことがない未知な分野」です。もし誰もチャレンジしなければ、事業は現状維持のままで、やがて市場の変化に取り残され、衰退へと向かいます。だからこそ、新しいことに積極的にとり組む人材の存在は、企業にとって非常に重要です。

 さらに、チャレンジ精神を持つ人材が組織にいることで、周囲にも挑戦する雰囲気が生まれ、企業全体の変化への対応力が高まっていきます。

仮説検証をくり返す思考を持っているから

 2つ目の理由は、仮説検証をくり返す思考を身につけているから です。この思考の重要性は、よく語られますが、実践できる人は、なかなかいません。

 新規事業では、最初から正解がわかっていることは、ほとんどありません。「この顧客に需要があるのでは?」、「このサービスなら価値を感じてもらえるはず!」といった仮説を立て、小さく試し、結果を見ながら修正をくり返します。つまり、事業計画を一度作って終わりではなく、仮説をたてる ⇒ 試す ⇒ 学ぶ ⇒ 改善する というサイクルを、何度も回すことが必要です。

 一方、多くの組織では、十分に検討してから実行すること が、重視されがちです。しかしながら、新規事業のような不確実性の高い環境では、どれだけ時間をかけて考えても、実際に試してみなければ、わからないことが多くあります。新規事業の経験者は、この現実を体験として理解しているため、「完璧な計画」よりも「試しながら進める」ことに、価値をおいています。つまり、仮説検証をくり返す思考を持つ人材は、組織を前に進める存在 です。そのため、企業にとって貴重な財産なのです。

コミュニケーション能力が高いから

 3つ目の理由は、コミュニケーション能力が高いから です。ここでいうコミュニケーション能力とは、単に話がうまい、説明がわかりやすい という意味ではありません。立場や専門の異なるメンバーをつなぎ、部門を越えて物事を前に進める力 を指します。

 新規事業は、既存事業のように整った体制や役割分担がありません。そのため担当者は、①上司や経営者 ②他部門の関係者 ③外部パートナー ④チームメンバー など多くの関係者と協力しながら、業務を進める必要があります。しかしながら、立場や部門が異なれば、目標や考え方が異なっており、利害や方向性が一致しないことも少なくありません。そこで求められるのが、相手の立場を理解し、目的を共有しながら、巻き込んでいくコミュニケーション能力です。

 コミュニケーション能力の高い人材がいることで、組織やチームは連携しやすくなり、意思決定や実行のスピードが高まります。さらに、関係者の士気が高まり、成功の可能性が向上するのです。だからこそ、新規事業の経験者は、企業にとって欠かせない存在なのです。

2 新規事業の経験者を活かせない理由

 新規事業に挑戦した社員は、多くの時間と労力をかけて貴重な経験をつんでいます。しかしながら、その経験が組織の中で、十分に活かされていない場合が少なくありません。新規事業が終了、又は一区切りつくと、担当者は元の部署へ戻り、以前と同じ業務を担当する――こうした光景に、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。

 このような状況がくり返されると、新規事業で得られた知見やノウハウは個人の中にとどまり、組織の資産として活用されないまま、埋もれてしまいます。これは、決して担当者個人の能力の問題ではありません。企業の評価の仕組み・評価基準や人材配置に原因があるケースがほとんどです。貴重な経験をした人材を活かせなければ、企業の成長などありえません。

 この章では、なぜ多くの企業が、新規事業の経験者を活かしきれないのか? その代表的な理由と背景について、わかりやすく解説します。新規事業の経験者を活かしきれない主な理由は、以下の3つです。

  • 新規事業に合わせた評価基準がないから
  • 新規事業で得たスキル・ノウハウが見えにくいから
  • 終了後の配置・キャリア設計が考えられていないから

新規事業に合わせた評価基準がないから

 新規事業の経験者を活かせない最大の理由は、新規事業に合わせた評価基準がないから です。多くの企業の人事評価制度は、既存事業を前提に作られています。そのため、①売上や利益を達成したか? ②計画通りに実行できたか? ③ミスなく業務を進めたか? など、誰が見ても結果がわかりやすい業務を評価しやすい仕組みになっています。

 しかしながら、新規事業と既存事業では、業務の進め方が全く異なります。新規事業では、新しい事業を創造し、予想外の問題へ柔軟に対応しながら、1つ1つ問題を解決していかなければなりません。将来の予測が不可能で、顧客開拓・営業体制の構築を進め、協力会社・パートナーを開拓しながら、業務を進めていきます。つまり、新規事業では、短期的な成果よりも、仮説検証や問題解決力が重要 になります。

 ところが多くの企業では、既存事業を基に、評価基準を作っているので、新規事業に挑戦した社員は、「成果を出せなかった人」と見なされてしまうことがほとんどです。貴重な経験を積み、知見やノウハウを持っているにも関わらず、その努力や成長が正しく評価されないため、企業がその価値を十分に認識できないのです。

 このような状況では、新規事業に挑戦しようとする人材が育たなくなります。そのため、企業は、売上や利益など目に見えやすい基準で判断するのではなく、挑戦のプロセスや経験、学習成果などを評価する視点が必要です。

新規事業で得たスキル・ノウハウが見えにくいから

 新規事業で身についたスキル・ノウハウが見えにく のも、理由の1つです。例えば、

  • 仮説の構築力
  • 問題解決力
  • 柔軟な対応力
  • 関係者を巻き込む力

などは、評価シートで説明しにくい能力です。そのため、評価者や企業は、「具体的に何ができる人かわからない」、「専門性がよくわからない」 などと、判断してしまいます。つまり、高度な能力があるにもかかわらずに、スキルやノウハウが言語化できない、可視化できないことによって、価値が伝わらないという状態になります。

終了後の配置・キャリア設計が考えられていないから

 新規事業が終わった後の配置やキャリア設計が事前に考えられていないのも、注目すべき理由です。多くの企業では、「新規事業を立ち上げる」ことには注目しますが、「終わった後 どうするか?」までは、設計されていないのが実情です。

 新規事業が、永続することはありません。必ず ①成長し拡大する ②既存事業に統合される ③撤退・終了する ことになります。しかしながら、多くの企業では、新規事業が終わった後、担当者をどう活かすか? を考えていません。そのため、新規事業の終了と同時に、担当者は「とりあえず元の部署へ」戻される、又は「空いているポジションへ」配置されることになります。

3 経験者の活かし方3選

 新規事業に挑戦した社員を「貴重な人材」や「企業の財産」と考えても、実際にどのように活かせばよいのかわからない企業がほとんどです。

 新規事業の経験を評価したいが、具体的な活用方法が見えない、特別扱いすると組織のバランスが崩れるかもしれない などの悩みを感じている経営者や人事担当者も、多いのではないでしょうか。新規事業への挑戦を通して身につけた知見やスキル、ノウハウなどは、経験者を適切な役割に配置することで、次の成長を生み出す原動力になり、組織の変革につながります。

 本章では、新規事業の経験者を活かす具体的な役割について、わかりやすく解説します。代表的な役割は、以下の3つです。

  • 次の新規事業を立ち上げる中核人材とする
  • 既存事業の変革・改善プロジェクトに配置する
  • 部門横断プロジェクトの推進役を担ってもらう

次の新規事業を立ち上げる中核人材とする

 新規事業は、1度成功すれば終わりではありません。企業が成長し続けるためには、くり返し新規事業を立ち上げる必要があります。その時に最も必要とされるのが、「新規事業の立ち上げを経験した人材」です。経験者は、①失敗しやすいポイント ②業務の進め方 ③問題解決の方法 ④ステークホルダーの活かし方 などを熟知しています。そのため、

  • 新規事業のプロジェクトリーダー
  • 新しいテーマ探索の担当者
  • 新規事業の立ち上げ指導者(メンター)

として活用するのは、非常に有効です。

既存事業の変革・改善プロジェクトに配置する

 既存事業の多くは、長年の成功体験が蓄積されているので、業務の進め方やルールを変えにくい状況です。これまでのやり方に慣れていると、変革を嫌う人が多くいます。そこで、新規事業の経験者を活用します。新規事業の経験者は、①仮説検証をくり返す思考をもち ②顧客視点で考えることができ ③業務推進力がある ので、組織の停滞を打破することができます。

  • DX推進
  • 新しい市場の開拓
  • ビジネスモデルの改善

などのプロジェクトが最適です。

部門横断プロジェクトの推進役を担ってもらう

 新規事業の担当者は、①上司や経営者 ②他部門の関係者 ③外部パートナー ④チームメンバー など多くの関係者と協力しながら、業務を進めます。そのため、利害調整、合意形成、社内交渉 などの経験が豊富です。これらを活かすためには、組織をつなげる推進役 が適しています。具体的には、

  • 全社横断プロジェクト
  • 新制度の導入
  • 業務改革プロジェクト

などがあります。

4 経験者を活かせなかったら、何が起きるのか?

 新規事業に挑戦した社員は、多くの仮説検証をくり返し、従来の業務では得られない知見やノウハウを身につけています。しかしながら、これらの経験が組織の中で、活かせないと感じた時、働き方や考え方に少しずつ変化が生まれます。最初は、意欲的に提案を行い積極的に発言していた社員が、発言を控えるようになったり、主体的に動いていた社員が次第に指示待ちになったりします。このような変化は、決して珍しいことではなく、ごく普通に見られることです。企業は、これらの変化を「本人のモチベーションの問題」と捉えてしまいがちですが、必ずしもそうではありません。「経験を活かせない環境」が、行動を変えてしまっているケースがほとんどです。

 新規事業の経験者を活かせないことは、単に人材配置や人材活用の問題で終わらず、企業の将来を担う人材を失うことにもつながります。本章では、経験者を活かせなかった場合に起きることを、3つ具体的に解説します。

  • 指示待ちになる
  • モチベーションが低下する
  • 転職・独立を考え始める

指示待ちになる

 新規事業では、自ら考え、行動し、問題を解決することが求められます。しかしながら、経験で得られた知見やノウハウが評価されず、元の部署に戻された場合

  • 挑戦しても評価されない
  • 新しいことに取り組んでも何も変わらない
  • これまでの努力は無駄だった

などと、感じてしまいます。その結果、挑戦する意欲を失ってしまい、上司からの指示を待つだけになります。これは、本人の能力低下や意欲不足ではなく、挑戦が報われない環境への適応 です。

モチベーションが低下する

 新規事業を経験すると、①スピード感 ②意思決定の重要性 ③顧客視点 などを強く意識するようになります。もし、元の部署に戻されたり、空いているポジションに配置されると、①意思決定の遅さ ②前例重視 ③ムダな業務 などに、違和感を感じやすくなります。

 業務改善や意思決定のスピードアップ、権限移譲 などを提案しても受け入れられないと、徐々に仕事への熱量が下がっていきます。

転職・独立を考え始める

 新規事業に取り組むと、①市場分析 ②ビジネスモデルの構築 ③マーケティング戦略の立案 などを経験するため、自ら事業計画書を作成し、周りの協力者を巻き込みながら、業務を進められるようになっています。経営者や上司に言われたことだけを淡々とこなすのではなく、自ら考え自ら行動できる能力が身についており、自分に自信を持ち始めています。そのため、自社でスキルやノウハウが活かせないと感じた時、「会社外なら活かせるのではないか」と、考えるようになります。その結果、条件があえば、転職や独立を選ぶのです。

 これは、企業が時間とお金をかけて育てた人材の流失 ですので、絶対に避けるべきです。

5 まとめ

 今回の記事では、なぜ新規事業の立ち上げ経験者が財産なのか? や 立ち上げ経験者の活かし方 について、解説しました。新規事業の経験者が企業の財産である理由は、①チャレンジ精神を持っているから ②仮説検証をくり返す思考を持っているから ③コミュニケーション能力が高いから です。ただ、新規事業に合わせた評価基準がない、新規事業で得たスキル・ノウハウが見えにくい ため、経験者を活かしきれていません。新規事業が終わった後、経験者が指示待ちになったり、モチベーションが低下しないよう、次の新規事業を立ち上げる中核人材にする、既存事業の変革・改善プロジェクトに配置する ことが必要です。

新規事業の立ち上げ経験者の活かし方3選

  • 次の新規事業を立ち上げる中核人材とする
  • 既存事業の変革・改善プロジェクトに配置する
  • 部門横断プロジェクトの推進役を担ってもらう

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