【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

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新規事業に失敗したら、その後どうなるのか?


 新規事業を担当していると、【失敗したら、その後どうなるのか?】 と考え、不安になりますよね? あなたは、新規事業に失敗した後、どうなるか、想像できますか?

 新規事業を推進しているあなたも、失敗した後、どうなるのか? 知っているだけで、あらかじめ心の準備ができ、失敗を恐れずに、新規事業に挑戦できるようになります。

 以前の私は、新規事業が失敗したら、どうなるのか?について、何も知らなかったので、キャリアへの不安を抱えながら、業務を行っていました。その結果、新規事業に集中できず、期待された成果をあげることができませんでした。失敗した後、どうなるのか? を理解した今では、不安になることが減り、業務に集中できるようになりました。

 このページでは、①新規事業の失敗とは何か? と、②失敗した後、どうなるのか? について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、新規事業に失敗した後、どうなるのか? がわかり、落ち着いて新規事業にとり組めるようになります。

1 新規事業の失敗とは何か?

新規事業の失敗の定義

 失敗というと、すぐに赤字をイメージしがちですが、そうではありません。新規事業の失敗とは、経営リソース(人材、資金、時間 など)を投入しても、目的の達成や成長の見込みが望めなくなった状態のこと です。簡単に言うと、続ける理由がなくなった状態のこと です。

失敗の代表的な状態4選

 新規事業の失敗は、簡単に説明できるほど、単純ではありません。単に赤字になったり、途中で撤退することが決まっただけで、失敗だと断定するのは、あまりにも表面的すぎます。新規事業の立ち上げは、不確実性の高い活動であり、仮説を立て、それを検証し、試行錯誤しながら前に進めていきます。そのため、途中で方向転換したり、早めに撤退したり、一時中断することは、日常茶飯事です。

 しかしながら、新規事業の目的が達成されなかったり、期待された成果が上げられなかった場合は、「失敗」 とみなされます。重要なのは、感覚的な印象ではなく、どのような状態になった場合を失敗と呼ぶのか、きちんと理解しておくことです。

 本章では、新規事業が失敗と判断されやすい4つの状態を整理し、それぞれどのような状態なのかを解説します。

  1. 顧客ニーズが確認できなかった
  2. ビジネスモデルが成立しなかった
  3. 事業の継続ができなくなった
  4. 目的を達成できなかった

顧客ニーズが確認できなかった

 新規事業が失敗と判断される時に、最も多いのは、顧客ニーズが確認できなかった状態 です。この状態は、提供しようとしている商品やサービスに対して、顧客が 必要としていない 又は、価値を感じていない ことが明らかになった場合を指しています。具体的には、次のような状態です。

  • 顧客へのヒアリングや調査で、関心が示されなかった
  • 商品やサービスの提供を開始したが、利用が広がらなかった
  • 継続利用や購入につながらない
  • 価格を提示すると受け入れられない

 新規事業の出発点は、顧客の困りごとや不満を解決すること です。この前提が成り立たない場合、どんなに技術的に優れていても、どれだけ社内で期待されていても、事業として成立する可能性は低くなります。そのため、顧客ニーズが確認できない状態では、事業を継続していく合理的な理由がなくなり、失敗と判断されてしまいます。

ビジネスモデルが成立しなかった

 ビジネスモデルが成立しなかった場合も、典型的な失敗の状態です。ビジネスモデルとは、①誰に ②どんなサービス(どんな価値)を ③どのような仕組みで提供し ④どう利益を得るか を明確にしたものです。このモデルが成立しなかったとは、事業として収益を生み出す仕組みを構築できなかった状態 を指します。

 例えば、次のような状態が考えられます。

  • 売上よりもコストが上回る
  • 利益が出る見通しが立たない
  • 投資回収に長い時間がかかる
  • 価格設定や予測した販売量が現実的ではない

 新規事業では、価値提供だけではなく、利益確保も必要不可欠です。いくら顧客が興味を示しても、収益構造が成り立たなければ、事業として継続していくことは困難です。このような状態に至った場合、事業の縮小や見直し、撤退 などが検討され、失敗と認識されてしまいます。

事業の継続ができなくなった

 新規事業が失敗と判断される状態の1つに、事業の継続ができなくなった場合 が、あります。これは、顧客ニーズやビジネスモデルの問題に限らず、さまざまな要因がからみ合った結果、生じるものです。

 例えば、次のような状態が該当します。

  • 必要な人員、予算、設備 などが確保できなくなった
  • 法規制や市場環境などの変化で事業の継続がむずかしくなった
  • 社内や社外の支援体制が維持できなくなった
  • 経営の優先順位が変わり、投資が停止された

 新規事業は、経営リソースを活用して進められる活動ですので、企業全体の状況や企業を取り巻く環境の影響を受けます。事業内容に大きな問題がなくても、それ以外の環境変化によって、事業継続が不可能になることがあります。このような場合でも、失敗として扱われてしまいます。

目的を達成できなかった

 新規事業は、必ずしも利益拡大だけを目的として始められるわけではありません。そのため、最初に設定された目的を達成できないと判断された場合も、失敗と見なされます。

 目的の例として、以下があります。

  • 新しい事業の柱を作るため
  • 組織の活性化のため
  • 人材育成のため
  • 新しい技術やノウハウを獲得するため

 これらの目的に対して、期待された成果が得られなかった場合、さらに投資する必要なし と判断され、失敗と認識されてしまいます。売上や利益が予測以上にあっても、最初の目的が達成されていなければ、成功と見なされないのです。

2 失敗の後、社内で起こること

 新規事業の目的が達成されなかったり、期待された成果があげられずに失敗の烙印を押された場合、多くの担当者が気になるのは、「その後、社内で何が起こるのか?」 ということだと思います。失敗という結果に対して、責任追及や厳しい評価がくだされると考えるだけで、不安に感じる方も多いはずです。

 しかしながら、それほど心配する必要はありません。新規事業の失敗は、事業活動の単なる1つの結果にすぎません。意思決定や組織の整理の後、新規事業の進め方の見直し、失敗原因の検証、経営リソースの再配置 など、さまざまな動きが連動して起こります。これらは特別なことではなく、次のステップへ進むための運営プロセスにすぎません。

 本章では、新規事業が失敗と判断された後、社内で起こりやすい主な出来事について、解説していきます。社内で、よく起こるのは、以下の5つです。あらかじめ知っておくことで、心の準備ができます。

  • 経営判断(撤退、縮小、見直し など)
  • 失敗の振り返り
  • 人員配置の見直し
  • 社内評価の形成
  • ステークホルダーへの説明・謝罪

経営判断(撤退、縮小、見直し など)

 新規事業が失敗だと見なされた場合、まず行われるのが、経営者による今後の方針決定です。これは、単に新規事業をやめるか? 続けるか? を決めるだけではなく、企業全体の経営リソース(人材、設備、予算 など)の配分や戦略との整合性、外部環境の変化 などを考慮した重要な判断になります。

 具体的には、以下のような判断が行われます。

判断の例概要
撤退事業を終了し、活動や投資を停止する判断
縮小規模を小さくし、最低限の投資で運営や検証を続ける判断
見直し(方向転換)ターゲット顧客、提供価値、収益構造などを再設計する判断

 新規事業は、不確実性が高いため、最初の計画通りに進むことは、ほとんどありません。そのため、上記のような経営判断は、合理的な意思決定です。判断が遅れて、既存事業に影響が及ぶ前に、決断を下すのは、理にかなっています。

失敗の振り返り

 経営判断が下された後、又は同時並行で行われるのが、失敗の振り返りです。これは、責任追及のために行うのではなく、得られた知見や経験を整理し、次の挑戦や意思決定に活かすためのもの です。振り返りでは、特に次の点に留意してください。

  • 仮説の設定や前提条件は妥当だったか?
  • 顧客や市場に対する理解は十分だったか?
  • 商品やサービスの企画や設計に問題なかったか?
  • 進め方やチーム体制に課題はなかったか?

 一連の振り返りによって、成功要因のみならず失敗要因も組織の知識として蓄積されます。これらが次の新規事業へつながり、成功確率を高めていくのです。

人員配置の見直し

 新規事業の方向性が決まると、新規事業に関わっていたメンバーの配置も見直されます。事業が、撤退や縮小する場合は、プロジェクトメンバーを別の業務へ再配置する必要があるためです。

 具体的には、メンバーに対して、次のような対応が行われます。

  • 元の所属部署へ戻る
  • 別の新規事業プロジェクトへ移る
  • 既存事業の担当に配属される
  • 新たな役割や業務に就く

 これらは、企業にとってごく自然なリソース配分であり、特別なことではありません。新規事業の立ち上げは、期間限定のプロジェクトとして運営されることも多いため、配置が変わることは、よくあることです。担当者は、失敗を引きずって気落ちするよりも、新規事業に挑戦した経験や得られた知見を活かして、次の役割に集中することが重要です。あきらめる必要はありません。挑戦のチャンスは、まだまだあると信じることです。

社内評価の形成

 新規事業が失敗と判断されると、公式・非公式の両面で、評価や認識が形成されていきます。これらは、人事評価に限らず、周囲からの見られ方や組織内での評判 なども含まれます。

 人事評価は、評価制度や企業文化によって大きく異なりますが、①挑戦が評価される文化か? ②過程や学習成果が評価されるか? ③意思決定や行動が妥当だったか? などの視点が大きく影響します。

 周囲からの見られ方やうわさは、気にしてもしょうがありません。新規事業の結果だけで、個人の価値は決まりません。それよりも重要なのは、新規事業に ①どのように取り組み ②何を学び ③次にどう活かすか? です。

ステークホルダーへの説明・謝罪

 新規事業の撤退や縮小が決まった場合、社内・社外の関係者に対して、状況を説明する必要があります。新規事業は、社内の複数部門・外部関係者と連携しながら進められるため、適切に情報を共有することが、きわめて重要です。

 対象となる主なステークホルダーは、以下の通りです。

  • 社内の関係部署
  • 経営者
  • 取引先や協力会社
  • 顧客や試験導入先

 説明では、単に結果や状況を伝えるだけではなく、撤退や縮小によって生じる影響や今後の対応についても、明確にすることが求められます。また、負担や不便が生じる場合には、謝罪することが重要です。

 これらの対応は、信頼関係を維持するためのコミュニケーション として、位置づけてください。きちんと説明や謝罪が行われることで、組織としての誠実さが伝わり、協力関係の維持にもつながります。

3 企業にとっての影響

 新規事業が期待通りの成果をあげられず、失敗してしまった場合、その影響はプロジェクトチームや担当者だけにとどまりません。組織全体にも、さまざまな影響が広がります。日々の業務に取り組んでいる担当者は、会社全体にどのような影響があるのか? を実感する機会が少なく、イメージしにくいかもしれません。

 企業は、1つの事業だけで成り立っているわけではなく、多くの事業や活動が組み合わさって、運営されています。そのため、新規事業の失敗は、今後の進め方、意思決定、投資方針、挑戦への姿勢 など、さまざまな判断に影響を与えます。

 本章では、新規事業の失敗が企業にどのような影響をもたらすのかについて、整理して解説します。企業への影響は、主に以下の4つです。

  • 経営戦略への影響
  • 財務的な影響
  • 意思決定への影響
  • 企業文化への影響

経営戦略への影響

 新規事業の失敗で、企業にとって最も重大なのは、経営戦略への影響 です。新規事業は、将来の新しい事業の柱を作るために取り組むことが多いため、新規事業の失敗は、企業の中長期的な戦略に影響を与えます。

 例えば、次のような変化が起こることがあります。

  • 新規事業計画の見直し
  • 成長シナリオの修正
  • 投資の優先順位の変更

 つまり、企業は成長戦略を再検討しなければならない ということです。

財務的な影響

 新規事業には、人員の投入、活動費用 など、さまざまな形で、投資しています。撤退や縮小する場合は、在庫の廃棄費用や事務所・工場の違約金 などが発生します。これらの 回収できないコストが発生し、資金が減ってしまうこと を、財務的な影響 と呼んでいます。

 具体的なコストとして、以下のようなものが含まれます。

  • 人件費、マーケティング費用、開発費
  • 在庫の廃棄費用
  • 事務所や工場の解約違約金

 特に規模が大きい場合には、企業に多大なるダメージを与えます。その結果、次の挑戦が制限されてしまうことがあります。財務的な影響をなるべく小さくするには、スモールスタートする(小規模で事業を始める)ことです。

意思決定への影響

 新規事業の失敗は、そのプロジェクトのみならず、企業全体の意思決定のあり方に、影響を及ぼすことがあります。一例として、①審査が厳格になる ②承認プロセスが増える ③リスクを回避する判断が増える ④短期間での成果が求められる などがあります。つまり、新規事業の失敗が、次の挑戦のハードルを上げてしまうのです。
 挑戦のハードルが上がるのは、経営者や管理部門に次のような心理が働くからです。

  • 失敗をくり返したくない
  • 投資判断への信頼低下を防ぎたい
  • 失敗の責任を負いたくない

 このように一度の失敗が、リスク許容度を変え、その後の意思決定に少なからず影響を与えます。

企業文化への影響

 新規事業の失敗は、目に見えない資産である 企業文化、その中でも 挑戦する意欲 に、強く影響します。企業文化は、明文化された制度やルールではなく、体験や行動の蓄積で形成されます。つまり、失敗がどのように扱われたか? 誰が評価されたか? 誰が責任をとったか? などを、社内メンバーが共有し、語られ続けることで、企業文化が作り上げられます。

 新規事業の失敗により変化しやすい企業文化は、次の通りです。

  • 挑戦を避ける空気が生まれる
  • 責任を回避する行動が増える
  • 新規事業に関わるメンバーのモチベーション低下

 これらのネガティブな企業文化は、長期的に見ると、競争力の低下につながる恐れがあります。なるべく避けるような工夫や取り組みが重要です。

4 失敗がキャリアに与える意外な効果

 新規事業に挑戦している時、多くの担当者が不安に感じるのは、「もし新規事業が失敗したら、自分のキャリアに傷がつくのではないか?」 ということではないでしょうか。確かに、新規事業が失敗した結果だけを見ると、プロジェクトに携わった経験は、マイナスに見えるかもしれません。しかしながら、新規事業に挑戦した現場で評価されるのは、結果だけではありません。むしろ、とり組む過程で得られた知見や経験は、既存事業ではなかなか得られない貴重な資産となり、将来のキャリアにプラスに働くことが少なくありません。

 新規事業は、未知な分野やむずかしい課題に積極的に挑戦し、ねばり強く業務を進めていく仕事です。その過程で身につくスキルや知見、人脈 などは、次の役割や新たな挑戦の場面でも、強力な武器になります。

 この章では、新規事業が思うような結果にならなかった場合でも、担当者のどのような能力が向上し、キャリアにどのような前向きな効果が生まれるかを、5つ列挙します。

  • 経営者の視点で事業全体を考えられるようになる
  • 問題解決の能力が身につく
  • 実行力・推進力が証明される
  • 社内外の人的ネットワークが広がる
  • 失敗から立ち直る能力が強化される

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業に失敗した後、どうなるのか? について、解説しました。①顧客ニーズが確認できなかった ②ビジネスモデルが成立しなかった などの状態になると、失敗と見なされます。失敗と判断された後、社内では以下の5つが起こります。①経営判断 ②失敗の振り返り ③人員配置の見直し ④社内評価の形成 ⑤ステークホルダーへの説明・謝罪 です。また、新規事業の失敗により、企業の中長期的な戦略の見直しが必要になり、財務的な影響も受けます。ただし、担当者のキャリアにとっては、プラスに働くことが少なくありません。

新規事業に失敗した後、社内で起こること5選

  1. 経営判断(撤退、縮小、見直し など)
  2. 失敗の振り返り
  3. 人員配置の見直し
  4. 社内評価の形成
  5. ステークホルダーへの説明・謝罪

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