【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

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新規事業の立ち上げ戦略 3つの戦略が成功に導く! 


 新規事業の立ち上げを担当することになっても、新規事業の【戦略】を知らないまま、業務を進めるのは、とても不安ですよね?

 初めて新規事業の立ち上げを任されたあなたも、新規事業で最も重要な戦略を知っているだけで、自信をもって新規事業を進めることができます。

 以前の私は、新規事業を立ち上げる時の戦略を理解していなかったので、業務を進める時や他者へ説明する時に、自信がもてませんでした。正しい考え方を身につけた現在では、新規事業を戦略的に考えることができるようになり、自信をもって新規事業の立ち上げに、取り組めるようになりました。

 本ページでは、①新規事業の3つの戦略 と、②戦略の優先度 について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、新規事業の立ち上げで重要な戦略を理解し、自信をもって業務を進められるようになっているはずです。

1 重要な戦略は、成長マトリクスで考える

 新規事業を考える時に、既存事業との 距離感 を把握することは、非常に重要です。距離感とは、新規事業が既存事業とどれだけ異なっているか?ということです。言い換えれば、顧客、提供する製品・サービス、ビジネスモデル、技術 などが、どのくらい違うかということです。

 距離感を考えるには、顧客(市場) と 提供する 製品・サービス の2つの観点が、最も重要です。

  • 顧客は誰ですか? (今までの顧客と同じですか? 違いますか?)
  • 何を提供しますか? (今までの製品・サービスと同じですか? 違いますか?)

 既存事業との距離が近いほど、既存事業のリソースやノウハウを活用 できます。逆に、既存事業からの距離が離れるほど、既存事業のリソースやノウハウが活用できませんので、新規事業の失敗リスクが高まります。まず、これを念頭に置いてください。

 戦略を考える時に、重要で役に立つフレームワーク(考え方)は、アンゾフの成長マトリクス です。アメリカ人の経営学者イゴール・アンゾフが、提唱した考え方です。これから、どのような成長戦略を描くか?を考えるときに、かなり役に立ちます。

 成長マトリクスでは、どの市場(誰に?)に、どんな製品・サービス(何を?)を、提供するのかを、考えていきます。具体的には、市場を既存と新規の2つ、製品・サービスを既存と新規の2つ に分けて考えますので、合計4つの組み合わせが生まれます。

 具体的は、以下の4つの戦略に分けて考えます。

市場と製品の組み合わせ戦略の呼び方
既存市場 ✖ 既存製品市場浸透
既存市場 ✖ 新規製品新製品開発
新規市場 ✖ 既存製品新市場開拓
新規市場 ✖ 新規商品多角化

つまり、大きく分類すると、4つの戦略があるということです。

  • 市場浸透 戦略
  • 新製品開発 戦略
  • 新市場開拓 戦略
  • 多角化 戦略

 最もおすすめなのは、今までの市場(既存市場)に、新しい製品・サービス(新規製品)を投入する 新製品開発 戦略 です。新しい製品・サービスを作りあげる大変さはありますが、すでに市場やターゲットに関する情報をもち、事業を進めるオペレーション体制が活かせますので、失敗のリスクは最も低くなります。

 次におすすめなのは、新しい市場(新規市場)に、今までの製品・サービス(既存製品)を投入する 新市場開拓 戦略 です。製品・サービスを提供するオペレーション体制は整っていますが、市場を分析し新しい顧客を開拓する必要があります。そのため、新製品開発 戦略 に比べて、難易度はあがり、失敗のリスクは高くなります。

 最も難しいのは、新しい市場(新規市場)に、新しい製品・サービス(新規製品)を提供する 多角化 戦略 です。新しい製品・サービスをつくりあげながら、顧客を開拓し、オペレーション体制を構築しなければなりません。経験やノウハウが必要ですし、かなりのリソース(ヒト、モノ、資金、情報 など)を投入しなければなりません。失敗のリスクは、かなり高いと考えてください。

 新規事業の立ち上げについての話ですので、今回の解説では、今までの市場に既存の製品・サービスを投入する 市場浸透 戦略 についの説明は、省略します。

 あなたがこれから立ち上げる新規事業は、どの戦略に当てはまりますか? 顧客が微妙に異なったり、製品・サービスを市場に合わせて、手直しする必要がありますが、どの戦略に近いのか?把握することが必要です。なぜなら戦略によって、重要なポイントが異なる からです。

2 まずは、新製品開発を考える

 新製品開発戦略は、今までの市場(既存市場)に、新しい製品・サービスを提供することで、成長を目指す戦略です。すでに存在する顧客基盤を活かしながら、新しいニーズに合わせて、新しい製品・サービスを開発し、投入します。現場の情報(顧客の不満や新しいニーズ など) を集められるか?が、とても重要です。

 新製品開発では3つのポイントに気をつけてください。

既存市場の分析

 既存市場に、新しい製品・サービスを投入するためには、顧客の不満や新しいニーズを深く理解する必要があります。顧客と接している営業マンは、色々な情報を持っていますので、まずは話を聞いてみてください。必ず新しい製品・サービスにつながるヒントがあります。同行営業を行い、顧客に直接話を聞くのも有効です。ネットの情報や調査資料をうのみにせずに、自分たちが足でかせいだ活きた情報と比較しながら、顧客が抱えている問題や新しいニーズを探し出してください。

研究開発の推進

 新しい製品・サービスを開発し、顧客に受け入れられるには、研究開発や技術導入に投資する必要があります。ライバル企業の製品・サービスと差別化し、顧客に受け入れてもらわなければ、なりません。製品・サービスの機能やデザインを革新することで、顧客に新たな価値を提供し、市場での競争力を高めるのです。

 特に注意が必要なのは、顧客の不満を解決し、新しいニーズを満たした製品・サービスを開発することです。開発担当者は、視野がせまくなりがちですので、マーケティング担当者や営業担当者と連携しながら、開発を進めるよう気をつけてください。

テストマーケティングの実施

 市場分析で、顧客へ提供する製品・サービスがより具体的に検討できるようになります。まずは、プロトタイプ(最小限の機能をもった製品・サービス)を作ります。プロトタイプを顧客に見せ、意見を取り入れながら何回も見直し、顧客の求める製品・サービスに近づけていきます。

 新しい製品・サービスがほぼ完成した後、限定的な範囲で販売し、顧客の反応を確認するのが、テストマーケティングです。本格的な販売前に問題点や改善点を見つけ出し、それを修正することで、大きな損失を避けられます。また、マーケティング戦略(価格、販売チャネル、プロモーション方法 など)の見直しにも、テストマーケティングは有効です。

3 次に、新市場開拓を考える

 新市場開拓戦略は、新しい市場に、今までの製品・サービスを提供することで、成長を目指す戦略です。今までの市場で一定の成功を収めている企業が、新しい地域や新しい顧客層を見つけ出し、さらに成長するために行います。

 以下4つのポイントに注意が必要です。

新規市場の分析

 新規市場の分析を行い、ターゲット市場の規模や成長性、顧客ニーズ、競合他社、法律や規制 などを把握します。市場の分析は、リスクを最小限におさえ、チャンスを最大限に活かすためのビジネスモデル構築やマーケティング戦略の立案に非常に重要です。

 市場の分析が不十分だと、誤った戦略をたててしまい、新しい市場の開拓が進まず、失敗の可能性が高まります。

製品・サービスの改良

 既存製品がそのまま新しい市場で受け入れられることは、めったにありません。新しい市場に合わせて、

  • 製品の仕様変更や機能追加
  • サービスの提供方法を変更
  • 価格の調整

などを行い、市場に受け入れてもらえるような改良が必要です。

協力会社の活用

 新しい市場では、現地のビジネス慣習や法規制、文化 などに精通している企業と提携することが、成功のカギをにぎっています。協力会社と連携し、販売チャネルやサプライチェーンが構築できれば、新しい市場の開拓が楽になります。

 協力会社と信頼できる関係をつくるために、問題への積極的な関与、密なコミュニケーション、素早いサポート などを心がけてください。

スモールスタート

 スモールスタートとは、小規模で新規事業をはじめることです。スモールスタートにより、失敗した時のダメージを、最小限に抑えることができます。さらに、成功の見込みが立った段階で投資を増やし、事業を拡大することができます。

 最初は小規模でスタートして、フィードバックを基に事業を改善し続けることで、リスクを抑えられます。

4 多角化は失敗のリスクが高い

 多角化戦略とは、新しい市場に、既存事業と異なる新しい製品・サービスを提供し、企業の成長をはかることを指します。この戦略は、企業が現在の事業領域から飛び出し、全く異なる事業分野に進出するため、非常に失敗のリスクが高く なります。もし取り組むのであれば、新規市場の分析を徹底して行い、余裕をもった資金計画を立て、小規模で新規事業をはじめることをおすすめします。

 多角化戦略は、新製品開発 戦略や新市場開拓 戦略でのポイントに加えて、さらに注意を払うポイントがあります。重要なポイントは以下の通りです。

  • リソースやコア技術の活用
    • リソース(ヒト、モノ、資金、情報 など)をできる限り活用する
    • 企業の強みやコア技術を活かす方法を考える
  • 買収や提携の活用
    • 買収や提携により、自社にない経験やノウハウ、ネットワーク などを外部から取り込む

 多角化戦略を成功させるのは、かなりむずかしいですが、成功した場合は、新しい事業の柱になり、大きなリターンが得られる可能性があります。次のような企業に、多角化戦略はおすすめです。

  • 衰退する業界に属する企業
  • 十分な資金をもっている企業
  • イノベーション文化(新しいアイデアや技術を追求する文化)をもっている企業

 新製品開発 戦略や新市場開拓 戦略で、経験をつんだ後に、ぜひ挑戦してください。

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業の3つの戦略を解説しました。この3つの戦略を理解したうえで、新規事業に取り組むことが重要です。それぞれの戦略の重要なポイントを頭に入れながら、新規事業の立ち上げに取り組んでください。

新規事業の3つの戦略

  1. 新製品開発 ( 既存市場 ✖ 新規製品 )
  2. 新市場開拓 ( 新規市場 ✖ 既存製品 )
  3. 多角化 ( 新規市場 ✖ 新規製品

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