【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

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新規事業の目的とは? なぜやるのか? 新しい事業の柱をつくるため!


 新規事業に取り組むことになったものの【新規事業の目的】を知らないまま、新規事業を進めるのは、無理がありますよね? 実は、新規事業をなぜやるのか?よくわかっていない人がほとんです。

 新規事業を立ち上げることになったあなたも、新規事業の目的を知っているだけで、新規事業に対するやる気が大きく高まり、自ら積極的に業務を進めたくなります。

 以前の私は、新規事業の目的を十分に理解しないまま、業務を進めていたので、やる気が出ずに適当に業務を行い、新規事業が停滞することがよくありました。新規事業の立ち上げをたくさん経験し、新規事業の目的を理解してからは、新規事業に本気で取り組み、期待した成果を達成できるようになりました。

 このページでは、①新規事業の目的と、②新規事業に取り組まなかったらどうなる? について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、あなたが知りたい新規事業の目的を知り、自信を持って新規事業を推進できるようになっています。

1 新規事業の目的は3つ

 新規事業を立ち上げる目的は、これまで以上に利益を増やすため だけではありません。会社の成長ステージや、経営者の考え方、競合他社の状況 などによって、目的は異なります。既存事業で、安定した収益を上げているにも関わらず、リソース(ヒト、モノ、資金、時間 など)を割いて、わざわざ新規事業を始めるのは、経営者にとっても大きな決断なのです。優秀な人材を集め、外部コンサルタントと契約し、多くのお金を投資したとしても、ほとんどの新規事業は失敗します。それにも関わらず、新規事業を立ち上げるには、なぜでしょうか?

 新規事業の目的は、主に以下の3つに集約できます。

  1. 新しい事業の柱をつくるため
  2. 組織の活性化のため
  3. 人材育成のため

新しい事業の柱をつくるため

 新規事業の目的で、最も大切なことは、新しい事業の柱をつくること です。新しい事業の柱をつくることは、企業の成長と安定を図るための 未来への投資 です。

 たとえ既存事業が成功していたとしても、市場環境が変化したり、技術が進歩するため、将来は不透明です。新しい事業の柱をつくることにより、1つの事業に依存せず複数の収益源をもった企業へと進化し、長期的な成長と企業の安定が確保できるようになります。

 また、既存事業だけに頼っていると、その事業から収益を得られなくなった場合、企業全体が影響を受けてしまいます。新規事業を立ち上げることにより、リスクを分散させ、もし既存事業が低迷した場合でも、企業が生き残るための土台を築く ことができます。

 生き物は誕生してから成長、成熟を経て、最後には死んでいきます。事業も同じで、新しい製品やサービスを開発し、それを導入した後は、成長期、成熟期を経て、最後には衰退期に入り、製品やサービスが売れなくなってしまいます。つまり、事業は必ず衰退しますので、それを避け成長し続けるためには、新しい事業の柱をつくることが必要なのです。

 事業の柱は、できれば3本以上が理想です。

組織の活性化のため

 組織の活性化も、新規事業の目的の1つです。新規事業は、従業員にとって新しい目標であり、むずかしい挑戦です。そのため、従業員は 成長のチャンス将来への可能性 を感じ、業務に対する意欲が高まります。その結果、ポジティブなエネルギーが、組織全体に伝わり、組織が活性化するのです。

 また、新規事業には、様々なスキルをもつメンバーや異なる部署が関わることが多くなります。これにより組織内のコミュニケーションや協力体制が強化され、チームワークが向上 します。新たなプロジェクトに一緒に取り組むことで、部門間のつながりも深まり、組織全体が一体感をもつようになります。

 さらに、新規事業が成功すれば、成功体験が自信をもたらします。たとえ成功しなかったとしても、次の機会があれば、ぜひとも成功させたい、失敗を活かして再チャレンジしたい などの積極性が生まれ、組織全体が変化をいとわなくなり、活性化していくのです。

人材育成のため

 新規事業の立ち上げは、従業員にとって多くの成長機会を提供し、スキルやノウハウの獲得、問題解決力の強化、責任感の向上 などが見込めるため、人材育成の観点からも非常に重要です。

 新規事業は、既存事業の業務とは異なる新しい挑戦です。そのため、新しいスキルやノウハウを学ぶ機会になります。例えば、以下のスキルやノウハウの獲得が期待できます。

  • 事業計画書の作成
  • マーケティング
  • プロジェクトマネジメント
  • チームビルディング
  • 問題解決能力
  • ファイナンス(事業の資金管理・最適化)

 このようなスキルやノウハウを持ち、様々な経験をつんだ人材は、次世代のリーダー候補(幹部候補)になります。上記スキルやノウハウに加えて、戦略的思考(中長期的な経営戦略を考える力)、意思決定力、リスクマネジメント力 などを身につければ、経営幹部(経営者)として、活躍できるのは、間違いありません。

 セミナーや講習を受けるよりも、新規事業を立ち上げる実体験をつみ、現場の問題を1つずつ解決していくことが、人材育成につながっていきます。

 注意点として、新規事業の目的を誰かに伝える場合は、なるべくわかりやすく、具体的に 説明してください。相手が十分に理解しないと、期待した成果が得られません。

2 新規事業に取り組まなかったらどうなる?

 企業が新規事業に取り組まなかった場合、成長機会を逃し、競争力を失い、将来的には企業そのものが危機に陥る可能性があります。いくら高収益な事業でも、いずれは衰退し収益が得られなくなってしまいます。また、既存事業に固執しすぎると、従業員は成長のチャンスや将来への可能性を感じなくなり、やる気を失ったり退職者が増えることも考えられます。そうなると、人材不足におちいり、日常業務を行うことも、困難になる可能性さえあります。

 新規事業に取り組まなかった場合に、発生するリスクや問題は、以下の通りです。

  • 1つの事業にリスクが集中する
  • 組織が硬直化する
  • 成長が鈍化する(成長が止まる)
  • 競争力が低下する

1つの事業にリスクが集中する

 新規事業は、複数の収益源を作り出すことで、経営リスクを分散させる役割を果たしています。既存事業に依存し続けると、その事業が失敗した場合、企業全体が大きなダメージを受けて しまいます。その結果、企業の存続が難しくなる可能性が高まります。

組織が硬直化する

 組織が硬直化するとは、企業が変化に対応できずに、柔軟さや適応力を失ってしまう状態のことです。新規事業に取り組まないと、新しい発想や提案力が失われ、新しいトレンドや顧客ニーズの変化に気づかなくなり、最終的にリスクを回避する傾向が強まります。一時的には安定して見えるかもしれませんが、長期的には成長のチャンスを逃す ことになります。

成長が鈍化する(成長が止まる)

 既存事業だけに頼っていると、市場が成熟したり競争が激化した場合に、持続的に進化できなくなり、売上や利益が減ります。つまり、企業が衰退に向かうということです。

競争力が低下する

 ビジネスとは常に競合企業との戦いです。競合企業が新しい市場に進出したり、新しい技術を導入している時に、何もしなければ、他社との競争に勝てなくなります。競争力の低下は、数値では見えにくものです。売上や利益が減ってから対応しても、すでに手遅れの場合が多い です。

3 既存事業の目的は3つ

 では、新規事業ではなく、既存事業の目的は何でしょうか? なかなか考える機会はないかもしれませんが、これを機会に立ち止まって、考えてみたらいかがでしょうか。自分の頭でしっかりと考えることは、事業を推進していく時に、非常に役に立ちます。

 既存事業の目的は、主に以下の3つに集約できます。

  1. 安定的な収益確保
  2. ブランドや信頼性の維持
  3. 企業文化の維持・継承

安定的な収益確保

 既存事業の目的で、最も重要なことは、安定的な収益確保 です。なぜなら、安定的な収益確保が、企業の運営や成長、競争力の維持に欠かせない基盤だからです。

 会社の運営には、従業員の給与、家賃、水道光熱費、広告宣伝費 など、多額のコストがかかっています。これらのコストを支払うことにより、会社を維持しています。また、新規事業を立ち上げるために製品やサービスを開発し、マーケティング活動を行う際にも、安定的な収益が必要です。さらに、安定的な収益がある会社は、投資家や金融機関、取引先などからも信頼されます。

 このように、安定的な収益が、すべての企業活動を支えている のです。

ブランドや信頼性の維持

 既存事業は、長期間にわたって培った ブランドや信頼性 によっても、支えられています。

 ブランドや信頼性が あれば、顧客は「この企業の製品やサービスなら安心できる」と感じ、リピート率が向上します。その結果、長期的に安定した収益につながるのです。また、競合との価格競争に巻き込まれにくくなるとともに、口コミや紹介による新規顧客の獲得が容易になります。さらに、ブランドや信頼性は、すぐれた人材を引きつけるため、採用活動で有利になり、社員も自分の会社に誇りをもって働くため、モチベーションが向上します。

 このように、ブランドや信頼性の維持は、顧客の安心感向上や新規顧客の獲得、人材確保 などにおいて、重要な役割をはたします。

企業文化の維持・継承

 企業文化の維持・継承は、組織の一体感を高め、長期的な発展を支える土台になります。

 企業のミッション、ビジョン、バリュー などが明確で、それらが文化として浸透していれば、組織全体が同じ方向を向いて活動するため、経営の一貫性が保たれ、危機的な状況に直面しても、社員が一丸となって乗り切ることができます。また、企業文化がしっかりと維持されていると、短期的な成功ではなく、長期的な視点で物事を考えるようになり、持続的な成長が実現します。

4 新規事業の目的を共有すると成功につながる

 新規事業の目的を明らかにし、共有することで、チーム全体が一丸となって目標に向かい、全力で努力するようになります。その結果、成功の可能性が高まります。明確な目的があると、社員は「自分の仕事の重要性や意味」を理解し、本気で働くようになります。とにかく頑張れ!とか、目の前の業務を正確に行え! などの指示では、社員はやる気が出ないのです。

新規事業の目的を明確にすることで、成功しやすくなる理由は、以下の通りです。

  • 全員の目指す方向が一致する
  • モチベーションアップ
  • 意思決定がスムーズになる
  • リソースの最適化

 この中でも、特に重要なのは、全員の目指す方向が一致するモチベーションアップ です。この2つについて、簡単に説明します。

社員の目指す方向が一致する

 新規事業の目的が明確だと、プロジェクトに関わる全ての人が「何のために新規事業を立ち上げようとしているのか」理解できます。その結果、全員が共通のゴールを目指して努力するため、一体感がうまれ無駄な努力が減り、方向性が一致します。新規事業は、将来が見えないためメンバーは不安な気持ちになり、チームがばらばらになりがちですが、目的を明らかにすることで、強固なチームワークがうまれます。

モチベーションアップ

 モチベーションアップとは、「何かをやりとげたい」というやる気や意欲が、高まることです。

 目的がはっきりしていると、社員は自分の仕事がどのように企業全体の目標に貢献しているのか、理解しやすくなります。その結果、社員の 当事者意識が高まり、業務に積極に取り組むようになるのです。

 新規事業は、社内の誰もやったことのない業務にとり組み、問題をひとつずつ解決していく作業ですので、目標に向けたやる気や意欲が、成功に大きく影響します。

 ぜひ、新規事業の目的を明らかにし、メンバーに共有してください。1回ではなく、何回もくり返し共有すること が重要です。そうすれば、成功の確率が上がるのは、確実です。

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業の目的(新規事業をなぜやるのか?)を解説しました。目的を意識しながら、新規事業を進めることにより、チームに一体感が生まれ、大きな問題なく業務が進行すること間違いなしです。既存事業の目的も意識しながら、自信をもって新規事業を進めてください。

新規事業の目的

  1. 新しい事業の柱をつくるため
  2. 組織の活性化のため
  3. 人材育成のため

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