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シェアリングエコノミーとは、どんなビジネスモデルなのか?


 新規事業を「シェアリングエコノミー」を活用して始めたいと思っても、 【シェアリングエコノミー】 の仕組みや特徴、メリット・デメリットを、よく知らないままビジネスを始めるのは、ちょっと無理ですよね?

 新規事業を検討しているあなたも、シェアリングエコノミーの仕組みと特徴、メリット・デメリットを知っているだけで、シェアリングエコノミーを活用して、新規事業を始めたくなります。特に、遊休時間・状態が発生し、標準化しやすい商品・サービスの場合には、最適なモデルです。

 以前の私は、シェアリングエコノミーの名前を聞いことがあるだけで、仕組みや特徴について、ほとんど知りませんでした。そのため、シェアリングエコノミーを活用して、新規事業を始めたいと考えたことは、ありませんでした。シェアリングエコノミーの仕組みや特徴を理解した今では、自分たちの保有する遊休資産を活用して、事業を始めたいと考えるようになりました。

 このページでは、①シェアリングエコノミーの仕組み・特徴 と、②シェアリングエコノミーが適している商品・サービス について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、シェアリングエコノミーの仕組みや特徴、メリット・デメリットがわかり、遊休資産を活用して、新規事業を始めてみたくなります。

1 シェアリングエコノミーとは何か?

仕組み

 シェアリングエコノミーとは、個人や企業が所有する遊休資産(使われていないモノ、スキル、空間、時間 など)を、プラットフォームを通じて、他者と共有・貸借するビジネスモデル です。シェアリングエコノミーは、プラットフォームビジネスの1つの形態で、遊休資産を活かしながら、事業を展開します。

 シェアリングエコノミーでは、「提供者」と「利用者」がプラットフォーム上でつながり、使われていないモノ、スキル、空間、時間 などをやり取りします。

特徴

 シェアリングエコノミーの特徴をまとめると、主に以下の4つです。

特徴説明
遊休資産の活用これまで眠っていた資産を収益化する
プラットフォームによるマッチングデジタルプラットフォームで取引を行う
ネットワーク効果で価値が高まる提供者・利用者が増えるほど、プラットフォームの価値が急速に高まる
信頼を担保する仕組みが不可欠相互評価、本人確認 などが必要

2 シェアリングエコノミーが適している商品・サービス

 シェアリングエコノミーでは、①遊休時間・状態が発生しやすい  ②貸し借りしても価値が損なわれにくい ③購入価格が高い ④標準化・比較がしやすい 商品・サービスが向いています。

 特に、シェアリングエコノミーが適している商品・サービスは、以下の通りです。

商品・サービス特徴
空き部屋使っていない自宅の部屋や別荘を旅行者に貸し出す
駐車場自宅の駐車場や空き駐車スペースを時間単位で貸し出す
自家用車乗らない時間帯の自家用車を他のドライバーに貸し出す
キャンプ用品テントやテーブル、調理器具 などを貸し出す
ベビー用品ベビーカー、ベビーベッド などの育児用品を貸し出す
楽器ピアノやギターなどの楽器を貸し出す
スポーツ用品スキー板やサーフボード などを使わない時期に貸す
個人スキル・専門知識デザイン、語学 などの専門スキルを他社に提供する

 シェアリングエコノミーの商品・サービスは、①空間系 ②モノ系 ③スキル系 の3つに分類できます。3つの分類は、それぞれ特徴が異なります。

3 シェアリングエコノミーを活用するメリット・デメリット

 シェアリングエコノミーは、遊休資産を収益化できる魅力的なビジネスモデルです。「既存資産を活かせる」「低コストで始められる」など、新規事業として参入しやすい面もありますが、その一方で、他のビジネスと異なる固有のリスクも抱えています。新規事業として成功させるためには、メリットを最大限に活かしながら、デメリットを事前に把握し、対策を講じることが不可欠です。

 シェアリングエコノミーに参入する企業が知っておくべきメリットとデメリットを、以下に簡単に列挙します。

メリット

  • 遊休資産を収益に変えられる
  • 初期投資が少なくてすむ
  • ネットワーク効果で事業が拡大しやすい
  • 固定費がふくらみにくい
  • 社会的評価(ブランド価値)を高めやすい
  • 既存事業と組み合わせると差別化しやすい

デメリット

  • 品質・サービスレベルのばらつきが生まれやすい
  • 法規制・既存事業・地域社会との摩擦がおきやすい
  • 提供者・利用者の両者を増やさないといけない
  • 信頼を失うと一気に失速する
  • 提供者・利用者が直接取引するリスクがある
  • 差別化しないと競合へと乗り換えられる

4 シェアリングエコノミーの落とし穴

 シェアリングエコノミーは、低コストで参入できる魅力的なビジネスモデルとして、多くの企業が新規事業の立ち上げ時に、検討するようになりました。遊休資産を、収益源にできるので、どの企業にとっても挑戦したくなります。また、既存事業に、シェアリングエコノミーを付加すると、簡単に差別化できます。しかしながら、実際にシェアリングエコノミーを活用した企業の中には、「思ったより収益が上がらない」「法規制との壁にぶつかった」「既存事業との摩擦がおきて対応に追われた」などの声も少なくありません。

 シェアリングエコノミーには、表面上の魅力の裏側に、見落としがちな「構造的な落とし穴」が存在します。これらは、事前に知っておけば回避・対策できるものがほとんどですが、見落としたまま参入してしまうと、事業の成長を阻害されるばかりか、撤退せざるを得ない場合もあり得ます。「始めやすい」からこそ、「甘く見てしまう」のがシェアリングエコノミーのリスクとも言えます。

 本章では、新規事業の担当者が特に注意すべき3つの落とし穴を、わかりやすく解説します。参入前にしっかりと頭に入れておいてください。

  • 「法規制のグレーゾーン」の軽視
  • 手数料に依存した収益モデル
  • 問題解決の後回し

「法規制のグレーゾーン」の軽視

 シェアリングエコノミーは、既存の法律や規制が整備される前に、急速に普及したビジネスモデルです。そのため、現行法との間に、グレーゾーン が生じやすくなっています。グレーゾーンとは、「白(合法)」とも「黒(違法)」とも言い切れない領域 のことです。

 グレーゾーンが厄介な理由は、「問題ない」と判断して事業を進めていたら、ある日突然、行政から「それは違法です」と、指導を受ける可能性があることです。最悪の場合、事業の停止・多額の罰金・社会的信用の失墜 につながります。

 代表的な例が、以下の3つです。

  • 民泊ビジネス
  • ライドシェア(一般ドライバーが自家用車で人を有償で運ぶサービス)
  • 個人での料理・食品の販売

 民泊ビジネスでは、多くの事業者がホテル営業に必要な許可を得ないまま、民泊サービスを展開していました。2018年に、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されると、①年間営業日数の上限が180日に制限され ②都道府県・市区町村への届出が義務化され ③自治体によってはさらに厳しい独自規制が追加され ました。その結果、収益モデルが成立しなくなった事業者が、続出しました。

 また、ライドシェアは、道路運送法に抵触する可能性があります。なぜなら、道路運送法では、有償で旅客を運ぶ場合は「第二種運転免許」と「国土交通省の許可」が必要と定めているからです。アプリでつながった相手を、自家用車で有償で運ぶ行為の解釈が、長年グレーのまま放置されてきました。2024年に、やっと日本でも、条件付きでライドシェアが一部解禁されましたが、タクシーが不足している地域・時間帯に限定されるなど、海外のサービスとは、ほど遠い内容にとどまっています。

 さらに、個人での料理・食品の販売は、食品衛生法のグレーゾーン問題に直面しました。なぜなら食品衛生法では、食品を販売する場合は「営業許可」の取得と「食品衛生責任者」の設置が義務づけられているからです。そのため、何の対応もせずに、個人が自宅のキッチンで料理を作って売った結果、行政指導を受けるケースが相次ぎました。

 このように、法律の解釈によって、ビジネスモデルが成立しなくなるリスク は、シェアリングエコノミー特有の落とし穴です。参入前には、①法律の専門家にリーガルチェックしてもらう ②国や自治体の担当窓口に事前相談する ③法改正の動向を定期的にチェックする などが必要です。「グレーだから大丈夫だろう」という楽観的な判断は危険です。事業の停止に追い込まれたり、大きなダメージを受ける可能性があります。

手数料に依存した収益モデル

 シェアリングエコノミーの収益モデルは、取引額に応じた手数料が基本です。一見シンプルで安定しているように見えますが、このモデルには見落とされがちな重大な落とし穴が潜んでいます。それは、「提供者」と「利用者」が、プラットフォームを介さずに直接取引する「横流し」です。横流しは、提供者にとっても利用者にとっても「手数料が節約できる」という利益が一致するために、発生を防ぐのは困難です。プラットフォームの手数料が高いほど、横流しの発生が増えやすくなります。

 例えば、以下のような横流しが発生します。

商品・サービス横流しの具体例
民泊・部屋貸しホストと旅行者が連絡先を交換し、直接予約・決済する
駐車場シェアオーナーと利用者が直接交渉し、月極契約に移行する
個人によるカーシェアオーナーと利用者が良好な関係になり、直接取引を始める
空きスペースオーナーと利用者が直接やり取りし、直接契約に切り替える
フリーランス仲介クライアントとフリーランサーが信頼関係を構築し、直接契約する
スキルシェア・オンラインレッスン生徒と講師が連絡を取り合い、直接契約に移行する

 また、競合プラットフォームが乱立すると、手数料率の引き下げ競争が始まります。提供者・利用者の獲得コストが膨らむ一方で、一件あたりの収益が減少し、事業の収益性が急速に悪化するケースも珍しくありません。

 この落とし穴を回避するには、手数料以外の収益源(広告モデル導入、プレミアム会員制度、付帯サービス など)を、早めに設計することが重要です。プラットフォームでしか得られない「独自の価値」を提供し続けることが、横流しの防止と収益の安定化につながります。

問題解決の後回し

 「利用者が増えれば収益が上がり、問題も自然と解決される」という考え方は、シェアリングエコノミーに参入する多くの担当者が陥りやすい勘違いです。いくら利用者が増え、事業規模が大きくなっても、問題が解決することはありません。むしろ複雑化・深刻化するケースが少なくありません。

 例えば、利用者が少ないうちは、品質管理を個別対応できていたものが、数千人・数万人規模になると、品質のばらつきが一気に広がります。事業拡大で、悪質な提供者の排除、クレーム対応、保険適用の判断 など、複雑で手間のかかる業務が増えますし、サイバー攻撃や個人情報の漏洩リスクも高まります。

 さらに、利用者が増えた後に、ビジネスモデルの欠陥に気づいた場合、修正コストが膨大になります。初期段階では小さな問題に見えたことが、規模拡大後に、取り返しのつかない構造的欠陥であったと判明するのは、シェアリングエコノミーに限らず、プラットフォームビジネス全般に共通する失敗パターンです。

 「小さく始めて、ビジネスモデルを検証しながら事業を育てる」というスモールスタートは、とても重要です。事業規模が大きくなる前に、品質管理、リスク対応、収益構造の確率 などの問題を、きちんと解決しておくことが、長期的な事業成功につながります。

5 まとめ

 今回の記事では、シェアリングエコノミーの仕組み・特徴と、シェアリングエコノミーが適している商品・サービスについて、解説しました。シェアリングエコノミーは、遊休資産をプラットフォームを通じて、他者と共有・賃借するビジネスモデルです。①遊休資産を収益に変えられる ②初期投資が少なくてすむ などのメリットがありますが、①品質・サービスレベルのばらつきが生まれやすい ②法規制・既存事業・地域社会との摩擦がおきやすい などのデメリットもあります。シェアリングエコノミーには、遊休時間・状態が発生しやすく、貸し借りしても価値が損なわれにくい商品・サービスが向いています。

シェアリングエコノミーとは?

シェアリングエコノミーとは、個人や企業が所有する遊休資産(使われていないモノ、スキル、空間、時間 など)を、プラットフォームを通じて、他者と共有・貸借するビジネスモデル です

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