新規事業の立ち上げチームを率いることになっても、 【チームビルディング】 をよく知らないまま業務を進めるのは、ちょっと不安ですよね?
チームリーダーや責任者になったあなたも、チームビルディングが不可欠な理由や各フェーズで押さえるべきポイントを知り実行するだけで、チームメンバーが一致団結し、成果を出せるようになります。
以前の私は、チームビルディングを重視せずに、目の前の課題解決にのみ注力していました。そのため、チームとして満足のいく成果をなかなか出せませんでした。チームビルディングの本質や必要な理由を、しっかりと理解した今では、チームをまとめ成果を出せるようになりました。
このページでは、①チームビルディングとは何か? と、②チームビルディングが不可欠な理由 について解説していきます。
この記事を読み終える頃には、チームビルディングの重要性がわかり、全力でチーム作りに取り組むようになります。
1 チームビルディングとは何か?
グループとチームの違い
「グループ」と「チーム」は、似ているようで、本質的に異なる概念です。グループとは、単に人が集まった状態 を指します。例えば、同じ部署に所属しているだけの集団や、たまたま同じプロジェクトに配属された人の集まりは、目標や役割の共有がなくても、グループとして成立します。メンバー同士の関わりは希薄で、それぞれの人が独立して自分の業務をこなしているだけの状態です。
それに対して「チーム」は、共通の目的・目標に向かって、メンバーがそれぞれの役割を果たしながら、相互に協力し合う集団 を指します。チームには、「共通の目的」「役割分担」「相互依存性」という3つの要素が不可欠です。メンバー同士が助け合い、一人では出せない成果を組織として生み出すことが、チームの最も重要なことです。
つまり、単に人を集めただけでは、チームにはなりません。目的を共有し、互いの強みを活かし合う関係性を意図的に作り上げていく取り組み こそが「チームビルディング」なのです。新規事業のように、誰もやったことがない挑戦をする時には、チームビルディングを理解することは必要です。
2 なぜ新規事業にチームビルディングが不可欠か?
新規事業は、既存事業とは全く異なり、未知の分野やむずかしい課題に取り組み、多くの困難や失敗に直面します。市場もニーズも仮説段階であり、正解がわからない中で、試行錯誤をくり返す必要があります。このような環境では、個人の知見や能力に頼るだけでは、成功をつかみ取ることはできません。メンバー同士が信頼関係を築き、共通の目的に向かって力を合わせるチームビルディングが、不可欠です。
本章では、新規事業において、チームビルディングが重要な理由を4つご紹介します。
- 意思決定の精度を上げるため
- 価値観をすり合わせるため
- モチベーションを維持するため
- 試行錯誤をくり返すため
意思決定の精度を上げるため
新規事業は、社内で誰も挑戦したことがない場合がほとんどなので、初めてのことばかりで、前例もデータもありません。そのような状況で、意思決定を重ねる必要があり、個人の判断だけでは、間違った方向に進むリスクが高まります。チームメンバーで、多様な視点・意見を持ち寄り、議論を重ねることで、判断の精度を高められます。信頼関係のあるチームであれば、反対意見も率直に言い合えるため、独りよがりな意思決定を防ぐことができるのです。
価値観をすり合わせるため
新規事業チームは、社内異動者、中途採用者、他部署との兼任者 など、多様な経歴の人材で構成されることがほとんどです。各メンバーは、仕事の進め方や価値観が異なるため、放置すると認識のズレや摩擦が生じやすくなります。チームビルディングを通じて、目的意識・価値観をすり合わせることで、多様性を強みに変え、組織としての一体感を生み出せます。
モチベーションを維持するため
新規事業は、成果が出るまでにどうしても時間がかかります。結果が出るまでに、失敗や停滞が続くことも珍しくありません。各メンバーが孤立した状態で、この状況に向き合うと、精神的に疲弊し、やる気を失ってしまうリスクが高まります。チームとして互いに支え合い、小さな成功・失敗を共有し合う関係が構築されていれば、困難な局面でもモチベーションを維持しやすくなります。
試行錯誤をくり返すため
新規事業の成功確率を高めるには、仮説を立てて検証し、間違っていれば、すばやく軌道修正するサイクルを、何回もくり返す必要があります。このサイクルを高速で回すには、メンバー間の情報共有や意思決定が、スムーズであることが重要です。信頼関係が構築されたチームは、報告・連絡・相談のハードルが低く、問題の早期発見とすばやい対応が可能になります。
3 立ち上げ期のチームビルディング
新規事業の立ち上げ期は、少人数のメンバーで、ゼロから事業を作り上げていく、最も不確実性の高いフェーズです。この段階でのチームビルディングは、事業の成否を左右するため、とても重要です。組織図や評価制度 などの仕組みが、まだ整っていないため、それぞれのメンバーの主体性や信頼関係だけが頼りになる場面も少なくありません。
本章では、立ち上げ期において、特に押さえておくべき3つの重要ポイントを解説します。
- 目的・目標の共有と言語化
- 柔軟な役割分担
- 心理的安全性の確保
目的・目標の共有と言語化
新規事業の立ち上げ期は、事業の方向性そのものが定まっていないことも多く、メンバー間で「なぜこの事業を立ち上げるのか?」「具体的な行動計画は?」 などの認識が、ずれやすい時期です。チームリーダーは、事業の目的や目標を、わかりやすい言葉にして、くり返しメンバーに伝える必要があります。単に口頭で伝えるだけではなく、文書化しておくことで、新しいメンバーが加わった時にも、同じ方向を向いて業務を進めていけるようになります。この土台がなければ、事業が成長していく過程で、メンバー間で方向性のずれが生じてしまいます。
柔軟な役割分担
立ち上げ期は、チームの人数が限られているため、一人一人のメンバーが、複数の役割を兼務することが求められます。明確な役割分担に加えて、状況に応じて役割を変えられる柔軟性も求められます。ただし、役割が曖昧なままだと、「誰も担当していない業務」が生まれるリスクもあります。定期的に、メンバーで担当を確認し合い、「業務の抜け漏れ」がないかを、チェックする仕組みを作ることが重要です。あるメンバーに、業務が集まりすぎないように調整することも心がけてください。
心理的安全性の確保
心理的安全性とは、不安を感じることなく、誰もが自由に 発言、質問、提案、間違いの指摘ができる状態 のことです。立ち上げ期は、失敗や試行錯誤をくり返すフェーズです。メンバーが、「失敗を責められるのではないか?」「反対意見を言ったら、否定されるのではないか?」 などと恐れていると、率直な意見や懸念を言い出せず、問題の発見が遅れてしまいます。
まずは、チームリーダー自身が、①率先して失敗や弱みを開示する ②意見を否定せず、まず受け止める ③定期的なミーティングで率直な意見交換を促す ことが、心理的安全性の確保につながります。立ち上げ期は少人数で、各メンバーの発言がチーム全体の雰囲気に大きな影響を与えるため、心理的安全性の醸成は、特に重要です。
4 成長期のチームビルディング
新規事業における成長期とは、事業が順調に拡大し、人員が増加し始める 立ち上げ期の次のフェーズを指します。具体的には、チームメンバーが10~20名くらいになり、売上高が毎月数千万円を超え、顧客が数十社になった状態です。
この時期になると、立ち上げ期のような「全員が同じ情報を持ち、リーダーがすべてを把握できる」状態から、「情報が分散し、リーダーだけでは現場の状況を把握できない」状態へと変わっていきます。そのため、立ち上げ期にうまくいっていたやり方が、少しずつ通用しなくなっていきます。つまり、成長期のチームビルディングでは、個人の頑張りや暗黙の信頼関係に依存していた部分を仕組化し、再構築していく必要があります。
ここでは、成長期に押さえるべき3つのポイントを解説します。
- 権限移譲
- 価値観の言語化
- 情報共有の仕組み化
権限移譲
成長期になると、チームリーダーがすべての意思決定を担うやり方は、限界を迎えます。現場から離れた立場で、細部まで判断しようとすると、意思決定のスピードや精度が落ちてしまいます。この段階では、判断基準や裁量の範囲を明らかにした上で、現場のメンバーや責任者に、意思決定権を移していく必要があります。ただし、権限移譲は「任せて放置する」ことではありません。判断基準を共有し、結果を振り返る仕組みを導入することで、安心して権限移譲できる体制が整います。
価値観の言語化
立ち上げ期は、少人数だったため、暗黙のうちに共有されていた価値観や業務の進め方があります。しかしながら、人数が増えると、これらの暗黙知は、新しいメンバーに伝わらず、チームの一体感が薄れる原因になります。
成長期で重要なのは、これまで暗黙のうちに共有されていた価値観や行動指針、業務の進め方 などを明文化し、誰もが見れるようにすることです。さらに、文書化するだけではなく、以下の方法を取り入れれば、これらはメンバーに浸透していきます。
- ミーティングで具体例を共有する
- リーダーが価値観を体現し続ける
- 評価制度に組み込む
情報共有の仕組み化
少人数の頃は、口頭やメール、チャットでのやり取りだけで、十分に情報が行き渡っていました。しかしながら、人数が増えると、同じ情報が全員に届かずに、認識・方向性のズレが生じたり、二重対応(1つの業務に対して複数の人が同時に対応すること)が発生したりします。
成長期では、情報共有の仕組み・進捗管理ツール などを整え、誰が、何を担当し、どこまで進んでいて、次に何をやるか を可視化することが重要です。この仕組み化によって、リーダーが個別に状況を把握し、指示を出さなくても、チーム全体が自律的に動ける状態を作ることができます。
5 よくある失敗事例と回避策
ここまで、立ち上げ期と成長期の各のフェーズで押さえるべき重要ポイントを、解説してきました。しかしながら、実際の現場では、良かれと思って取った行動が、かえってチームの混乱や機能不全を招いてしまうケースも少なくありません。
本章では、新規事業チームでよく見られる4つの失敗事例を取り上げ、どのように回避すれば良いのか? を具体的に解説します。自分たちのチームビルディングで、役立ててください。
失敗事例1 目的・目標が形骸化してしまう
【回避策】目的や目標は、一度作って終わりではありません。その時の状況に合わせて、柔軟に変更することも重要です。また、定期的なミーティングや個別面談 などの場で、くり返し伝えてください。
失敗事例2 権限移譲が進まず、意思決定が遅くなる
【回避策】まずは、「現場や責任者に、どこまで任せるか」という権限の範囲を明文化することから始めてください。最初は、小さな権限を移譲し、段階的に増やしていきます。定期的に振り返る仕組みを作れば、リーダーも安心して権限を手放せるようになります。
失敗事例3 問題が共有されず、放置される
【回避策】リーダー自身が、自分の失敗や弱みを率先して開示する姿勢を見せることが、効果的です。また、1対1でミーティングを行うなど、メンバーが安心して本音を話せる場を設けることで、表面化しにくい問題や懸念を、早めに発見できるようになります。
失敗事例4 メンバーで価値観が共有されない
【回避策】新しいメンバーを加える時は、価値観を共有できそうか? メンバー同士の相性はどうか? などを重視する必要があります。さらに、新規事業の目的・目標、価値観 などを、丁寧に説明し、理解してもらうことが重要です。さらに、新旧メンバーが交流する機会を意図的に作ることも、効果があります。
6 まとめ
今回の記事では、チームビルディングの定義、新規事業でチームビルディングが必要な理由、さらに2つのフェーズ(立ち上げ期、成長期)で重要なポイントについて、解説しました。チームビルディングは、①意思決定の精度を上げるため ②価値観をすり合わせるため に、必要です。立ち上げ期と成長期では、チームビルディングで押さえるべきポイントが異なります。チームビルディングをきちんと行えば、メンバー同士が助け合い、一人では出せない成果を組織として生み出すことができます。
チームビルディングとは?
チームビルディングとは、目的を共有し、互いの強みを活かし合う関係性を意図的に作り上げていく取り組み です
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