【新規事業ラボ】新規事業の立ち上げ情報誌

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新規事業の立ち上げで役に立つフレームワーク8選


 新規事業を検討することになっても、役に立つ【フレームワーク】を知らないまま、新規事業を検討するのは、とても難しいですよね?

 新規事業の立ち上げメンバーに選ばれたあなたも、新規事業の市場分析や戦略立案、マーケティング活動に役立つ8つのフレームワークを知っているだけで、新規事業の分析や戦略立案がスムーズに進みます。

 以前の私は、新規事業の立ち上げに役立つフレームワークを、ほとんど知らなかったので、間違った市場分析を行ったり、マーケティング戦略をつくるのに苦労していました。その結果、新規事業の戦略立案がうまくいかなかったり、マーケティング戦略を何回も作り直していました。新規事業の立ち上げをたくさん経験し、役に立つフレームワークを知ってからは、市場分析や戦略立案で苦労することが、ほとんどなくなりました。

 ということでこのページでは、①役に立つフレームワーク と、②フレームワークの活用方法 について解説していきます。

 この記事を読み終える頃には、新規事業の市場分析や戦略立案に必要な8つのフレームワークを理解し、効率的に新規事業を立ち上げることができます。

1 必ず知っておきたい8つのフレームワーク

 フレームワークは色々と提唱されていますが、新規事業の立ち上げで、役に立つフレームワークは、以下の8つです。ターゲット市場の分析や戦略立案、マーケティング活動 など、目的に合ったフレームワークを活用してください。

自社や市場の分析に役立つフレームワーク

  1. SWOT分析・クロスSWOT分析
  2. 3C分析
  3. PEST分析
  4. ファイブフォース分析

戦略立案やマーケティングに役立つフレームワーク

  1. 成長マトリクス
  2. STP分析
  3. マーケティングの4P
  4. ペルソナ分析

SWOT分析・クロスSWOT分析

 SWOT分析とは、内部環境分析で見えてきた 強み(Strengths)弱み(Weaknesses)、外部環境分析で見えてきた 機会(Opportunities)脅威(Threats) を組み合わせて、自社や市場について分析するフレームワークです。4つの要素の頭文字をとって、SWOT分析と呼ばれています。

 SWOT分析は、企業の現状を分析し、外部環境を可視化する のに役立ちます。それが本当に自社の強みや弱みなのか? どのような機会や脅威が存在するのか?など、問題点をまとめ整理するときに使ってください。SWOT分析では、現状を把握するのみで、具体的なアクションや戦略立案まで、明確にすることはできませんので、注意が必要です。

 クロスSWOT分析とは、SWOT分析の結果を基に、4つの要素を組み合わせて、具体的な戦略を導き出す フレームワークです。4つの要素どうしを組み合わせ分析することで、より具体的で現実的な戦略を考えることができます。

組み合わせ戦略
強み ✖ 機会強みを活かして、機会を利用する戦略を考える
強み ✖ 脅威強みを活かして、脅威に対応する戦略を考える
弱み ✖ 機会弱みを改善し、機会を活かす戦略を考える
弱み ✖ 脅威弱みを最小化して、脅威を避ける戦略を考える

 まとめると、SWOT分析は、企業の現状と外部環境を分析する時に、使います。クロスSWOT分析は、具体的なアクションプランや戦略を立案する時に、使います。

3C分析

 3C分析とは、顧客(Customer)競合(Competitor)自社(Company)の3つの観点から市場環境を分析するフレームワークです。このフレームワークを使えば、外部環境(顧客・競合)と内部環境(自社)がより明確になります。3C分析では、3つの観点から市場を分析しますので、市場を多角的に見ることができます。差別化ポイントや競合優位性が明確になるため、スイートスポット を見つけるのに有効です。スイートスポットとは、顧客が求めていて、競合が提供できなくて、自社で提供できる商品・サービス のことです。スイートスポットが見つかれば、新規事業の戦略立案が楽になります。

 それぞれの具体的なポイントは、以下の通りです。

観点具体的なポイント
顧客顧客の特定、購買行動の分析、ニーズ・課題の把握、顧客満足度、購買トレンド など
競合競合の特定、競合の強みと弱み、競合の戦略、競合の商品・サービスの評価、競合の動向 など
自社強みと弱みの特定、リソースの把握、財務状況の分析、ブランド力の評価、オペレーション体制の把握 など

PEST分析

 PEST分析とは、外部環境を多角的に分析する時に使うフレームワークです。政治(Politics)経済(Economics)社会(Social)技術(Technology)の視点から分析を行います。4つの頭文字をとって、PEST分析と呼んでいます。各要素が、新規事業にどのような影響を与えるのか? を考えながら、分析を進めることが重要です。漫然と分析を行うと、役に立たない分析になりがちですので、注意してください。

 4つの要因で分析するポイントは、以下の通りです。

要因分析のポイント
政治法律、法令、規制、貿易政策、政権の安定性、国際関係 など
経済景気、経済成長率、金利、インフレ率、失業率、為替レート、購買力 など
社会人口動態、ライフスタイル、教育水準、価値観、意識 などの変化
技術新しい技術、イノベーション、技術インフラ、研究開発への投資 など

ファイブフォース分析

 狙っている市場が本当に魅力的なのか?を知るために、5つの側面から分析を行うフレームワークです。以下の5つの競争要因から分析を行います。

  • 新規参入
  • 競争関係
  • 代替品
  • 買い手(顧客)
  • 売り手(供給業者)

 5つの競争要因に着目すれば、①市場の収益構造 ②競争の重要なポイント ③今後の競争の変化 などが見えてきます。参入市場が明らかになり、ビジネスモデルの競争優位性を評価したり、成功するための要因を考える 時に有効です。

成長マトリクス

 成長マトリクスは、アメリカ人の経営学者イゴール・アンゾフが、提唱したフレームワークです。これから、どのような成長戦略を描くか? を考えるときに、役に立ちます。

 成長マトリクスでは、どの市場(誰に?)に、どんな製品・サービス(何を?)を、提供するのかを、考えていきます。具体的には、市場を既存と新規の2つ、製品・サービスを既存と新規の2つ に分けて考えますので、合計4つの組み合わせが生まれます。

 具体的は、以下の4つの戦略に分けて考えます。

市場と製品の組み合わせ戦略の呼び方
既存市場 ✖ 既存製品市場浸透
既存市場 ✖ 新規製品新製品開発
新規市場 ✖ 既存製品新市場開拓
新規市場 ✖ 新規製品多角化

 自分たちが、①どのような成長戦略を描いているか? ②戦略で重要なポイントは何か? を明らかにするときに、使ってください。

STP分析

 STP分析は、セグメンテーション(Segmentation)ターゲティング(Targeting)ポジショニング(Positioning)の3つのステップで構成され、それぞれの頭文字をとってSTP分析と名付けられています。

 まず、セグメンテーションで、魅力的な市場を見つけるために、市場を細分化 していきます。顧客を、年齢、性別、地域、ニーズ などによって、グループに分けます。

 次に、ターゲティングで、分けたグループの中から、特定のグループに狙いを定めます

 最後に、ポジショニングで、同じ狙いをもった競合企業に対して、どのような立ち位置をとるか? 決めます。つまり、競合企業とどう差別化するか考えます。

 この3つのステップを経て、具体的なマーケティング戦略を考えていきます。STP分析は、新規事業を立ち上げる時に、顧客とそれ以外を分け、顧客に効果的なマーケティング戦略を立案するために使います。

マーケティングの4P

 マーケティングの4Pとは、

  • 製品(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • プロモーション(Promotion)

の頭文字をとったものです。これら4つの要素を組み合わせて考えるので、マーケティングミックス とも呼ばれます。4つの要素から、マーケティング戦略を考える フレームワークです。

 どんな製品・サービスを? いくらで? どのようなチャネルを使って? どのようにプロモーションしていくのか? を具体的に考えていくのが、マーケティングの4Pです。

 4つの要素は深く結びついているため、お互いに整合性がとれるように、マーケティング戦略を考える必要があります。

ペルソナ分析

 ペルソナとは、ターゲット顧客の具体的なイメージ のことです。一般的なターゲット層の「平均像」ではなく、具体的で「リアルな一人の人物像」を設定するのがポイントです。ペルソナを設定する時の一例は、次の通りです。

  • 名前:新規 はじめ
  • 年齢:45歳
  • 職業:会社員(営業職)
  • 居住地:神奈川県相模原市
  • 家族構成:妻と子供2人(小学生2人)
  • 年収:700万円
  • ライフスタイル:出張で全国を飛び回っている。週末は家族で出かけることが多い。

 ペルソナ分析により、ターゲット顧客をより具体的にイメージできます。その結果、①製品やサービス開発が容易になり ②マーケティング戦略の立案が具体的になり ③チーム内のコミュニケーションがスムーズになります。

 1つのペルソナにこだわりすぎると、実際の顧客とズレが生じることがありますので、ペルソナを時々見直したり、複数のペルソナを設定する ことが大切です。

 フレームワークは、市場の分析や戦略立案、マーケティング活動 を行うための補助ツールにすぎません。8つのフレームワークをすべて利用するのではなく、目的に合ったフレームワークを活用する ことが大切です。フレームワークを基に、状況を正確に把握し、議論を深め、新規事業の立ち上げに活かしてください。

2 なぜフレームワークを活用するのか?

 新規事業の立ち上げ時に、フレームワークを活用する主な理由は、5つあります。

  1. 体系的な分析を行うため
  2. 重要なポイントを見逃さないため
  3. 深く理解、深く議論するため
  4. 具体的なアクションプランや戦略を立案するため
  5. 情報を共有し協力する体制をつくるため

 フレームワークを活用することにより、新規事業の立ち上げ時の課題や未知の要素、失敗のリスクなどを客観的に把握できるようになります。メンバー同士が、情報を共有し共通認識をもてるようになるメリットもあります。

 フレームワークを多用する必要はありませんが、自分たちの新規事業の立ち上げに必要なフレームワークを使って、市場分析や戦略立案を行ってみてください。できれば、数人が別々に作って比較検討し、さらに議論を深める のがおススメです。メンバーによって、見えている景色や今後の方向性が異なることが多く、参考になる視点がたくさん出てきます。フレームワークを活用することで、現状を深く理解し新規事業の失敗のリスクを下げることができます。

3 最も役に立つフレームワークを3つに絞り込むとすれば

最も役に立つフレームワーク3選

  • 3C分析
  • STP分析
  • マーケティングの4P

 新規事業を立ち上げる場合、限られた時間で多くのことを調査・分析し、関係者に情報を共有し、経営者の承認を得る必要があります。ですので、たくさんのフレームワークを活用する時間的余裕がないことがほとんどです。その場合は、上記3つのフレームワークを使ってください。そうすれば、新規事業の骨格が見えてきます。

 つまり、3つのステップをそれぞれ3つのフレームワークでカバーするのです。

ステップフレームワーク概要
3C分析外部環境と内部環境を同時に分析する
STP分析標的市場とポジショニングを選定する
マーケティングの4P何を?いくらで?どのチャネルで?どうプロモーションするか?決定する

それぞのフレームワークについて、もう少し詳しく解説します。

3C分析

 3C分析は、顧客(Customer)競合(Competitor)自社(Company)の3つの観点から市場環境を分析します。このフレームワークにより、自社の立ち位置が明らかになってきます。顧客が求めていて、競合ができなくて、自社で提供できる商品・サービス(スイートスポット) を見つけるのに、役に立ちます。まず、顧客分析で、ターゲットとなる顧客や消費者のニーズ、行動パターンをつかみます。次に、競合分析で、競合他社の強みや弱み、戦略、製品・サービスの違いを把握し、差別化のポイントを見つけます。最後に、自社分析で、自社のリソース、強みと弱み、ブランド力、オペレーション体制 などを把握します。自社分析では、競合他社を意識しながら分析することが重要です。

 3つの観点の具体的な分析ポイントを、以下で説明します。

  1. 顧客分析
    • 顧客の特定:年齢、性別、職業、収入、居住地 などから、ターゲット顧客を明確化
    • 購買行動の分析:商品やサービスを利用する理由、購買の意思決定の流れ などを分析
    • ニーズ・課題の把握:具体的なニーズや課題、それらを解決するための商品やサービスを検討
    • 顧客満足度:顧客の満足度やフィードバックを調査し、改善点や潜在ニーズを特定
    • 購買トレンド:トレンドや顧客の好みの変化を調べる
  2. 競合分析
    • 競合の特定:競合企業を特定し、特徴や市場シェア などを調査
    • 競合の強みと弱み:競合企業の強み(技術力、ブランド力、コスト競争力 など)と弱み(顧客サポートの不足、商品ラインナップの狭さ など)を分析
    • 競合の戦略:競合企業の価格戦略、マーケティング戦略、ターゲット顧客 などを調査
    • 競合の商品・サービスの評価:顧客からの評価、フィードバック、口コミ などを確認
    • 競合の動向:新サービスの提供、新規参入 などを調査
  3. 自社分析
    • 強みと弱みの特定:自社と競合他社を比較して優位な点や劣っている点を分析
    • リソースの把握:人材、設備、資金、技術、ノウハウ などを把握
    • 財務状況の分析:現在の収益性、キャッシュフロー、資本構成 などを分析
    • ブランド力の評価:ブランド力や知名度 などを把握
    • オペレーション体制の把握:製造工程、サービス提供のプロセス などを確認

 3つの要素をしっかり分析することで、自社の強みを最大限に活かしながら、顧客のニーズに応え、競合他社との差別化を図れるスイートスポットを見つけていきます。

 3C分析の結果を基に、次のSTP分析で標的市場とポジショニングを選定します。

STP分析

 STP分析は、セグメンテーション(Segmentation)ターゲティング(Targeting)ポジショニング(Positioning)の3つのステップから成り立っています。新規事業のターゲット市場を明確にし、効果的なマーケティング戦略を立案する ために、非常に役に立つフレームワークです。まずは、それぞれの定義をきちんと理解してください。

ステップ項目定義
セグメンテーション市場を共通のニーズや似た購買パターンをもつグループに分けること
ターゲティング分けたグループのうち、どこを狙うか決めること
ポジショニング競合他社と戦うのに有利な立ち位置を決めること

セグメンテーション

 セグメンテーションを行う理由は、すべての顧客のニーズを満たす商品やサービスを提供することができないから です。もしすべての顧客ニーズを満たす商品やサービスを提供しようとすると、コストがかかりすぎて利益を出すことが困難になります。

 セグメンテーションで一番重要なポイントは、市場をどのようなグループに分けるか?ということです。分け方が、次のマーケティング戦略にも大きく影響するので、しっかりと考えてください。以下のような切り口が考えられます。

変数切り口
地理的地域、都道府県、気候、人口密度
人口動態的年齢、性別、家族構成、所得、職業
心理的ライフスタイル、パーソナリティ
行動利用頻度、求めるメリット

ターゲティング

 ターゲティングでは、分けたグループの中から、新規事業に魅力的なグループを選びます。リソースが限られている場合には、特定のグループに集中する 必要があります。選ぶ時には、①市場規模 ②成長の見通し ③収益の見込み ④競争状況 などを考えてください。さらに、自社の強み、リソース、オペレーション体制 なども考慮してください。

ポジショニング

 ポジショニングで、競合他社と戦うのに有利な立ち位置を決めます。ポジショニングで重要なのは、競合商品やサービスとどのように差別化するか? ということです。具体的な差別化ポイントが明らかになれば、顧客がその価値を理解し、ブランドイメージをつくることができます。

マーケティングの4P

 STP分析で、ポジショニングが決まったら、マーケティングの4P(製品、価格、流通、プロモーション)を考えます。目標達成のために、4Pの具体的な施策を考えていきます。それぞれの内容は、以下の通りです。

4P概要具体的な項目
製品提供する製品・サービスは?機能、内容、パッケージ、デザイン、品質、付帯サービス
価格製品の価格は?標準価格、割引、支払い方法、支払期限
流通流通経路はどうするか?チャネル、流通範囲、品ぞろえ、輸送、ロジスティクス
プロモーションコミュニケーションはどうするか?広告、販売促進、PR、口コミ、SNS

 4つの要素は互いに関連しているため、一つの要素を変えると他の要素にも影響が出ます ので、注意が必要です。例えば、価格を変更すると顧客が変わるため、プロモーションの方法や内容も変える必要が出てきます。また、プロモーションで高級感を出したい場合、価格や流通にも同じイメージを反映させる必要があります。

 4Pは、企業目線からのフレームワークなので、顧客ニーズの変化への対応が遅れることがあります。特に、デジタル化が進んだ分野では、顧客とのコミュニケーションが密な場合が多いので、顧客目線からも考えよう気をつけてください。

 さらに、一度設定した4P戦略も、顧客ニーズや市場の変化に合わせて、柔軟に見直してください。新規事業の立ち上げでは、計画通りに進むことは、ほとんどありませんので、顧客の反応を見ながら、製品やサービス、価格、流通、プロモーションを柔軟に修正すること が、重要です。

4 フレームワークを使う時の注意点

 フレームワークは、新規事業の立ち上げ時に、とても役に立ちますが、いくつか注意点があります。これらの注意点を意識すれば、効果的にフレームワークを活用できるようになり、無駄な分析や戦略立案でのミスが減ります。以下の点には、十分に気をつけてください。

  • フレームワークは万能ではなく、単なるツール である
  • 各項目を埋めるだけではなく、意味を深く考える
  • アクションプランに落とし込む時に活用すれば、抜け漏れが減る
  • コンサルに指示された場合でも、自分たちの頭でしっかりと考える(意味をコンサルに確認する)

5 まとめ

 今回の記事では、新規事業の立ち上げで役に立つ8つのフレームワークを解説しました。必要に応じて、フレームワークを活用すれば、市場分析や戦略立案で抜け漏れが減り、新規事業の立ち上げがスムーズになります。ぜひフレームワークを使いこなして、新規事業を成功させてください。

新規事業の立ち上げで役に立つフレームワーク8選

  1. SWOT分析・クロスSWOT分析
  2. 3C分析
  3. PEST分析
  4. ファイブフォース分析
  5. 成長マトリクス
  6. STP分析
  7. マーケティングの4P
  8. ペルソナ分析

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